(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立つ確かな情報をお伝え致しましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら「うつ病が治らないあなたに」と題してうつ病が治りにくい人が見落としがちな問題その対策についてお伝えしていきます。
1日目の今日のテーマはこちらです。
今日も専門家をお迎えしておりますので早速ご紹介致します。
精神科特にうつ病双極性障害などの薬物治療がご専門でございます。
どうぞよろしくお願い致します。
さて「うつ病が治らないあなたに」というタイトルを出した訳ですがうつ病が治りにくい方治らない方というのは多いんでしょうか?はい。
残念ながらそういう状況がございます。
こちらはアメリカの4,000名を超えるうつ病の方を対象とした大規模な試験なんですがお薬ですとか認知行動療法といった基本的な治療アプローチを使って1年以上様子を見ても結局…。
私たち寛解という言葉を使いますがひと言で言うと症状がなくなった方は67%でした。
よくなった方ですね。
ただ症状がなくならなかった方は33%もいらっしゃったという事がある訳です。
このように症状がなくならない。
つまり好転していかない方がこれほどいらっしゃる。
この背景はどういう事なんでしょうか?いろんな事が考えられると思いますが代表的なものとして4つ挙げました。
一つは診断は正確かという事だと思います。
うつ病の診断それが合っているか。
そして適切な治療アプローチは行われているかです。
そして薬ですけども薬が正しく使われているかという事もポイントです。
更にうつ病につながるような患者さんの考え方。
そして大抵うつ病はストレスの環境そういったものが影響しますがそのストレスへの対処が十分できてるか。
この辺もポイントとなってきます。
そして最後に以前はそううつ病といわれたんですが現在は双極性障害といいますがこれもうつ状態そして反対のそう状態を呈する病気です。
この双極性障害これもうつ病と似てるんですけども実はうつ病とは治療が大幅に異なります。
なのでこういった4つの可能性を念頭に置く必要があるんじゃないかと思っています。
この4つの大きなテーマがありますがまず何よりもこの診断は正確か正しい診断がついているかという事なんですけれどもそもそもこのうつ病はどのように診断をしていくのか。
その基本をまず久田さんからです。
はい。
ではこちらで見ていきましょう。
うつ病はこの9つの症状を基準に診断していきます。
この2つはうつ病の中心的な症状です。
「食欲の異常」食欲がなくなる場合と過剰に食べたくなる場合があります。
「睡眠の異常」こちらも眠れなくなる場合と過剰に眠りたくなる場合があります。
「そわそわして落ち着かないまたは体が重く感じられる」。
うつ病と診断されるのは「抑うつ気分」または「興味や喜びの喪失」のどちらか1つが必ずあり更にそれを含めて5つ以上の症状がある場合です。
しかもいずれの症状もほとんど一日中かつ2週間以上続く場合です。
さあこの診断基準を今学びましたがさまざまな項目がありますよね。
これやはり実際の診断をつけていくのは難しい事なんでしょうか?残念ながら難しいとされています。
例えば普通の体の病気ですと胃カメラやMRIを行ってこういった病変があるからご本人の自覚がなくても何とか病だという事は言えたりするんですがうつ病はこの診断基準でお分かり頂けるように患者さんのお話の中から症状を探っていく訳ですので非常に病気であるかそうでないかという見極めがとても難しくなってくるという事があります。
中でもうつではあるけど病気でないという方も含まれたりしますのでそういった難しさというのは残念ながらある訳です。
症状はあるけれども病気とは言えない事もあるという事なんですよね。
ほかの病気が絡んでる事もあるという事なんですね。
同じうつ状態を呈するんですが例えば不安症。
パニック発作ですとか不安発作そういった不安症状こういったものもうつ病に似た症状になりますし発達障害そしてアルコール依存症などもうつ状態を呈するという事がいわれています。
こういった精神科の疾患だけではなく脳梗塞そして認知症の初期症状でうつ病に似た症状を呈する事も知られています。
更に体の病気としてがんですね。
がんも食欲が低下したりとかだるくなったりしますのでこれもうつ病に似た症状が起きたりしますしそして甲状腺ですね。
特にこの機能が低下したもの。
そういった場合もうつ状態に似た症状があります。
ほかにもいろんな病気がうつ病に似た症状を起こす訳です。
しかしこうした病気ではないと除外されてうつ病であると診断がつきますと更に詳しくうつ病の病態を調べていくという事ですね。
はい。
…で一応うつ病だと診断がついたといってもそれではシンプルな治療という訳ではなくてそこからまた2つ考えなければいけない事がございまして一つにはそのうつ病の重症度がどうかという事になります。
軽症あるいは中等症か重症であるかという事。
この重症度の分け方です。
ここで見極める訳ですね。
更にタイプとして昔からよく典型的なうつ病といわれている典型的なタイプかあるいは最近割と注目されている非定型。
ひと言で言うと典型的でないうつ病かこの辺のタイプ分けも診断や治療アプローチにおいて大切となってきたりします。
ではここからうつ病の治療について伺っていきたいんですが日本うつ病学会の治療ガイドラインによりますとこちらですね。
軽症かそして中等症重症かなどでは方針が違っているという事なんですけれどもまず軽症の方を見ていきますと薬に優先して患者の背景あるいは病気の状態の理解などが挙がっていますがこれはどうしてなんでしょうか?同じうつ病といっても患者さんがどういう背景経済的な状況ですとかストレスからうつ病を呈してるかと。
そういった事の情報の把握は非常に大切です。
環境というものに目を向けなければいけません。
それから病気の状態も一人一人異なったりしますのでどういう状況でどういう状態かという事それをまず理解するのが何よりも大切だと思います。
これは全員の方に行わなければいけない事です。
そうした上で支持的精神療法。
聞き慣れない表現ですがこれは患者さんの話をつらい事を含めて十分に聞く。
私たちこれを傾聴と呼んだりしますけれどもしっかりと聞くと。
そこで状態を把握した上で適切なアドバイス生活上のアドバイスなんかを助言をしたりする訳ですね。
これが支持的精神療法といいます。
そして心理教育。
これも聞き慣れない事ですが患者さんが今落ち込んでいるつらい状態がまずうつ病であるという事を説明してうつ病とはどういう病気であるかそしてどのような治療が今後されていくべきか更にはどうやって回復していくかといういわゆるうつ病はこういうふうにすればいいんですよという事をアドバイスする。
これを心理教育といいます。
病気の理解を深めていく訳ですね。
まさにこの3つの要素これを網羅するだけでも軽いうつ病の方の場合はある程度よくなったりするのでまずこのガイドラインではこの3つが強調されている訳です。
軽症でも必要なら薬を使うという事もある訳ですね?そうですね。
こちらはアメリカの精神学会のガイドラインそしてうつ病の学会のガイドラインでも軽症のうつ病でお薬を使う場合として記載されている事なんですが今うつ状態だけども過去にやはりうつ病を呈した方もいらっしゃる訳で過去にお薬が効いたという場合。
これはやはり今回も薬がいいと思いますし今回初めてうつ病になったけれども結構長く症状が持続している場合。
そういった場合もやはりお薬がいいといわれています。
更には睡眠や食欲の障害が重い。
これは生物学的な症状だと私たち呼んでますけれどもこういった症状がある場合も割と薬が効きやすいといわれています。
ほかにもそわそわとか不安がある場合。
更にはご本人が薬を使いたいと希望する場合。
こういった場合はやはりお薬が効果的だといわれてますのでこういった場合は軽症でも薬を使うといわれています。
それではうつ病の診断でお話を進めますがタイプの見極めも大事だと…。
これご説明下さい。
先ほどご説明しましたけど典型的な昔からよくいわれているうつ病のタイプ。
これはメランコリー親和型うつ病といわれてたりしたんですがそして同じうつ病のくくりではあるんですが最近非定型うつ病という概念が出てきています。
まずはこの典型的なうつ病の方から説明をしたいと思うんですがこれは例えばいつも気分が暗くなっていると。
ですから楽しい事があってもどんな事があっても基本的には気分がいつも変わらず暗いという話です。
そして食欲がなくて眠れない。
更にはご自身を非常に責め過ぎてしまうと。
これが昔からいわれている恐らく多くの方々が持ってらっしゃるうつ病のイメージだと思うんですね。
いわゆる我々も典型的なうつ病だなと理解するものですね。
そして一方…。
これに対してこの非定型うつ病というものは典型的なうつ病と対比させるとよく分かって頂けるかと思うんですが先ほど典型的なうつ病はどんな事があっても基本的に気分は変わらないのに対して非定型の場合は楽しい事があるとその時は気分が明るくなるといわれてる訳ですから気分が反応しやすいという事が一つありますね。
それからこちらが食欲がなくて眠れないのに対して非定型の場合は食べ過ぎたり眠り過ぎるという事があってこの辺がまず2つの大きな違いです。
更には鉛のように体が重くてベッドから起き上がれないという方もいらっしゃいますし非常に対人関係に過敏という方が多いというのが特徴です。
この非定型うつ病の場合は治療というのは違ってくるんですか?はい。
基本的にはお薬を使う事は同じなんですが若干お薬が効きにくいという考え方もあるようです。
あとはやはり対人関係に過敏という事がありますのでストレスの対処方法ですとかそういった対人関係に関しての適切な助言なんかが効果的な場合があります。
メランコリー親和型と呼ばれる典型的なものと非定型のうつ病をご説明頂きましたがほかにも実はタイプがあるという事でございますね。
ご説明頂きましょう。
不安による苦痛例えば落ち着かないですとかそれからそわそわする。
そういった不安を持つようなうつ病の方というのは割と治りにくいという事が証明されていますのでこの辺について焦点を当てないとなかなか治りにくいと考えられてます。
更に精神病性うつ病というんですがこれはうつ病の病状が結構進行して自分はとんでもない重大な病気にかかっているですとかあるいはとんでもない大きな罪を犯してしまった。
そういったいわゆる妄想的な考え方を持ったうつ病を指します。
こういった場合は抗うつ薬だけではなかなかよくならなくていわゆる抗精神病薬みたいなものを併用する必要性があるといわれています。
そして最近新型うつ病というような言葉も聞きますよね。
うつ病という事で会社は休んでるんだけれども家では外出して時にコンサートなどを楽しんだりという事があると聞きますがこういったのはこの非定型うつ病に入ってくるんですか?ご説明の中で当てはまるかなとも思いますが。
まずご説明しなければいけないのはこの新型うつ病は我々医学界が使う言葉ではないんですね。
マスコミとかそういったとこでよく注目されてるんですが基本的には先ほどご紹介した典型的なうつ病でないものがどうしても新型うつ病に含まれてしまうらしいんですが確かに非定型うつ病と思われるのもその中に入っているようですがよく患者さんの話を伺っているとその中に病気と言えないようなうつ病と言えないようなものも入っているのでいろんなタイプがあるとお考え頂いていいと思うんですね。
うつ病とは無縁のものも含まれているという事なんですね。
さあ今日うつ病の正確な診断をつけるのは大変難しいという事をお話しして頂いた訳ですが何が大切なポイントなんでしょうか?先ほどと重複しますけれどもやはり何よりも患者さんと私たち治療者が十分なコミュニケーションをとって信頼し合える関係ですね。
そして私たちがきちっと傾聴して情報を伺って私たちがきちっと正しい診断を行う事。
そして心理教育ですね。
説明を行って互いに信頼して協力して治療に当たる。
これは何よりも大切だと思うんですね。
実は基本だとは思うんですけどこれはやはりうつ病の治療で最も大切だと最近いわれているようです。
患者自身も病気の理解を深めていって治療に取り組むという事ですよね。
お話ありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2014/09/27(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「うつ病が治らないあなたに 診断は正確か」[解][字][再]
うつ病が治らないことは少なくない。うつ病の治療は軽症と中等症以上では変わり、うつ病のタイプで症状・治療法も異なる。治すためには、まずは正確な診断が大切になる。
詳細情報
番組内容
うつ病が治らないことは少なくない。その場合、治らない原因を、「診断が正確か?」「薬を正しく使っているか?」「うつ病につながる考え方・ストレスに十分対処できているか?」「双極性障害ではないか?」という4つのポイントから探ることが大切。1回目は診断について。うつ病はタイプで症状・治療が変わる。また軽症か中等症以上なのかでも治療が変わる。適切な治療で治すためにも、まずは重症度・タイプの正確な診断が大切。
出演者
【講師】杏林大学教授…渡邊衡一郎,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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