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岐阜「筋書き知らせず」は初 県原子力防災訓練
関西電力美浜原発(福井県美浜町)での重大事故を想定した県の原子力防災訓練が三十日、県庁や県境の揖斐川、関ケ原両町などで行われた。 訓練は三回目。若狭湾沖の巨大地震で原発の冷却機能が停止し、炉心損傷で放射性物質が拡散したと想定し、前回より対象地域を拡大して、新たに参加した住民四百人を含む千四百人が訓練に取り組んだ。 県庁に設置された災害対策本部には、古田肇知事ら幹部が顔をそろえた。職員らには事前に筋書きを知らせず、その場の指示に応じて動く「ブラインド型訓練」を初めて実施。放射線量測定(モニタリング)の態勢見直しや、住民が迅速に避難できるよう関係機関と連携することなど古田知事からの指示を受け、職員らは担当ごとに集まって、現場から収集した情報を基に課題を洗い出し、関係部署に連絡するなどの作業を進めた。 (末松茂永) ◆ヨウ素剤配布へ問診 関ケ原関ケ原町では、関ケ原地区の住民二百人が屋内退避や安定ヨウ素剤配布の訓練に参加した。 放射性物質の飛来に備え、町民らは町広報車の呼び掛けで自宅に退避。被ばく二十四時間前から被ばくまでの間に服用すると、甲状腺がんの予防に最も効果があるとされる安定ヨウ素剤の配布を受けるため、かっぱとマスクを着けて関ケ原小学校体育館に集まった。 体育館では、安定ヨウ素剤を服用して良いかどうかを判断する模擬問診があった。 西町の古田正治さん(70)が代表して医師の診察を受け、「今までに甲状腺の病気があると言われたことがありますか」との質問に「大丈夫です」と回答。「初めての経験だったけど、(原発のある)敦賀も近いし、今後も参加したい」と振り返った。 (中根真依) ◆服拭いて簡易除染も 揖斐川・坂内川上地区揖斐川町では、坂内川上地区の住民二十九人が、避難所に設定されている町中央公民館(同町上南方)にバスなどで移動。衣服や体に付いた放射線量を測定器で検査する「スクリーニング」訓練を受けた。同地区は、原発のおおむね三十キロ圏内で、緊急時防護措置準備区域(UPZ)に県内の集落で唯一入っている。 今回は、外部被ばく汚染が国の判断基準値を超えた場合に備え、参加者五人に詳細検査と簡易除染を初めて実施。参加者は基準値を下回るまで、雨がっぱや衣服を脱いだり、ぬれタオルで衣服の上から拭いたりした。 同地区の神谷(かみたに)節雄区長(68)は「三回目なので、物々しい雰囲気にみんな慣れ、淡々と行動できるようになった。ただ、訓練の中に入っていて全体像が分からず、外からも見てみたいとの思いがある」と話した。 (加藤拓) PR情報
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