「財務省依存」か「反財務省」かを選ぶ選挙が始まった。 安倍首相が初めて明かした「解散の真意」

2014年12月01日(月) 高橋 洋一
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民主党と財務省は同じ路線、先が読めない

こうした観点から、安倍首相の財務省増税のちゃぶ台返しのために解散について、海江田民主党代表の返答が実に情けなかった。

なんと、「相談がなかった」と。

安倍首相は、「申し訳ないが、自分の責任で行った」と相手にしなかった。

もちろん、解散は首相の専権事項なので、誰にも相談すべきことでない。首相の仕事は、組閣人事と解散しかない。前者は政権の求心力をなくし、後者は強めるという政治の格言がある。両者ともに誰とも相談せずに、首相一人で考えるものだ。この専権事項を他の人に相談する段階で、首相の資格はない。

しかも、その当時の状況からいって、相談できない。というのは、解散の噂が出始めた11月4日、維新の党、みんなの党、生活の党は共同して消費増税凍結法案を国会に提出している。このとき、安倍さんはすこし焦っただろう。しかし、民主党は、それにのらずに、増税しないとアベノミクスは失敗だと、増税賛成で増税を煽っていた。それが、解散が確実された14日になって急に増税見送りと大転換した。

そんな土壇場で節操なく方向転換するなら、その10日前にどうしてできなかったか。解散を見通せていなかったからだ。この意味で、民主党もマスコミと同じで、財務省の「ご説明」を受けていて、解散なしを信じていた可能性がないとはいえない。

海江田代表は、「負担を求めない先送りで解散はない」との趣旨のことをいっている。これは、まさに、先週の本コラムで紹介した財務官僚のロジックそのものである。この点、民主党も財務省の「ご説明」に染まっていた可能性なしとはいえない。

もし、安倍首相が増税方針であった民主党と協議しても、財務省の意向で、自民党内の増税勢力とともに、安倍下ろしになっただけだろう。

今回の党首討論でわかったのは、民主党が財務省と同じ路線で先を読めていなかったことだ。これは、大義がないと騒いでいるマスコミと五十歩百歩である。そうした先を読めない政党は、きちんとした経済運営もできないだろう。

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