対馬返還運動を展開する韓国忠清北道槐山郡の市民団体「対馬奪還本部」が曲折の末、先月27日から29日まで2泊3日の日程で、日本の長崎県対馬を訪問した。
同本部は「日本が強引に占領した対馬の返還運動を行う上で、メンバーの理解を高めるため、現地を訪問した」と説明した。
しかし、一行は日本入国からつまずいた。27日に釜山港から対馬の比田勝港に到着したが、上陸許可が下りるまで約4時間半もかかった。日本側はメンバーの荷物検査やボディーチェックだけでなく、靴の中まで徹底して検査するなど敏感な反応を見せた。
対馬奪還本部は日本の右翼団体による反発が予想されるとの情報を知りながらも現地入りし、日本の政府やメディアも敏感に反応した。
上陸が認められた瞬間、フジテレビや読売新聞などが一行にインタビューを求めるなど高い関心を示した。日本側の私服警官が一行を保護し、突発事態に備え、距離を置いて一行に同行した。
韓国総領事館も領事が直接一行と会い、安全を確認するなど、韓日双方とも緊張感を隠せなかった。
対馬奪還本部関係者は「今回の現地訪問に続き、対馬が大韓民国の領土だという広報活動を定期的な学術大会とも連携して展開する。子孫に対馬を引き継ぐ役割をより積極的に果たしていきたい」としたほか、一部の史跡で誤った記述の修正を対馬市に求めたところ、市関係者が誤りを認め、修正を約束したことも明らかにした。
対馬奪還本部は2012年10月10日に発足式を行い、対馬返還運動を展開している。
日本は1945年7月のポツダム宣言で対馬が韓国領であることを認めた。その後、李承晩(イ・スンマン)初代大統領が就任後の48年8月18日に記者会見を開き、対馬を韓国に返還するよう日本政府に強く要求した。
対馬では先月24日、韓国人5人が梅林寺所蔵の統一新羅時代の誕生仏(高さ10.6センチメートル)1体を盗み、日本の警察に逮捕された。
これに先立ち、2012年10月には対馬の海神神社と観音寺で統一新羅、高麗末の時代に製作された仏像2体を韓国人窃盗団が盗み出し、韓国に持ち帰ったことから、韓日の外交摩擦に発展した。