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2013年12月19日

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「新しき世界」(新世界)(韓国映画):潜入刑事の選択する運命は?韓国ノワール映画のレベルの高さを示すスリリングなシーンの連続。

外国特派員協会(FCCJ)のGMM(総会)は昨夜(18日)夜10時過ぎまで議論が白熱したようだ。僕らアソシエイトメンバーは蚊帳の外。スリランカとかインドとかフリーランスカメラマンとかロクなメディアでもない連中がスリーピング会員のプロクシーを集めて多数派となり総会を牛耳る。
僕らの仲間、SOSFCCJやフォーラムの元会長グループはマイナーで幾つも動議を出すが現ルーシー/ジョージ政権の前で鎧袖一触、連敗に次ぐ連敗だったようだ。
しかし未だFCCJの「公益法人化」の認可が内閣府から出ていないことだけが唯一の救いだ。FCCJに対する訴訟は泥沼化し、隠蔽していた財務状況などがバレてしまい、そう簡単には認可が降りそうも無い。

ソニーをリストラされた40代のマネジャーが、協会の新GMとして1月から就任と発表があったと言う。中村GMが定年退職して8カ月、ようやく後任が決まった。だがこの分野はまるで素人、願わくは元GMのようにGBたちの走狗とならずFCCJ財政の9割を支えるアソ会員のために働いてもらいたいと思う。これからお手並みを拝見しよう。


韓国ノワール映画はどれも良く出来ている。特にイ・ビョンホンとチェ・ミンシクが主演の「悪魔を見た」(05)は血も涙も無いシリアルキラーを追う刑事の執念が凄く強烈なインパクトを残す映画だった。その脚本を書いたパク・フンジョが脚本と監督をする「新しき世界」が詰まらない訳は無い。
 僕は香港ノワールの名作「インファーナル・アフェア」に匹敵する秀作と思っている。
実際、今年2月21日に韓国で公開され、観客動員数470万人の大ヒット(国民10人に1人は見た)を記録した。

この映画で初めて知ったのが「韓国華僑」と呼ばれる中国系韓国人の存在だ。「韓国人では無い」と長年差別され2002年になって初めて永住権取得が可能になったと言う。差別されたマイノリティがアウトローの世界に身を投じるのは、在日にヤクザが多いのと同じだろう。この韓国華僑がキーワードだ。

韓国最大の犯罪組織に潜入した韓国華僑の若い刑事(イ・ジョンジェ)と、彼に潜入を命じた警察庁の上司の課長(チェ・ミンシク)、刑事の素性を知らずに同じマイノリティ民族と言うだけで潜入刑事をブラザーと呼び信じる組織の大物(ファン・ジョンミン)の3人の男たちの葛藤と友情、裏切りを描く裏切りと出世と陰謀の渦巻く犯罪ドラマ。
ハリウッド・リメイク決定のニュースも発表されている。

主演の潜入捜査官ジェソン役には、かつて「イルマーレ」「ラスト・プレゼント」で多くの女性を魅了したイ・ジョンジェ。近作「10人の泥棒たち」も良い芝居だったが、この「新しき世界」では単なるアイドルでは無く演技派俳優として地位を確保出来た。

イ・ジョンジェに絡む二人には韓国を代表する名優チェ・ミンシクと、今や実力派スターとなったファン・ジョンミン。
チェ・ミンシクは彼に潜入捜査を命じ、犯罪組織一掃のために残酷な指令さえいとわない上司カンを渋い演技で見せ、ファン・ジョンミンはイ・ジョンジェ演じるジャソンを兄弟分として純粋に信じる組織のナンバー2チョン・チョンを演じる。底抜けに明るい憎めない笑顔と残虐で暴力的な冷たい男を演じ分ける。演技派3人のがっぷり組んだよつ相撲は見ものだ。

 冒頭、死体をコンクリート漬けにしたドラム缶が海に沈められる。黙々と作業に勤しむヤクザ集団。
韓国最大の犯罪組織ゴールド・ムーンに潜入し8年になる警察官イ・ジャソン(イ・ジョンジェ)。組織ナンバー2、チョン・チョン理事(ファン・ジョンミン)が同じ中国系韓国人と言うことで引きもある。その冷静な判断と実行力で営業担当の理事にまで登り詰めている。しかし自分はあくまでも警察官、潜入捜査に疑問を感じながらも警官に戻れる日も近いと上司のカン課長(チェ・ミンシク)の命令に服従するしかない。

一方でジャソンは、自分と同じ中国系韓国人のナンバー2のチョン・チョン理事(ファン・ジョンミン)が、「ブラザー」と呼び自分に寄せる信頼と実の兄のような友情を裏切っていることに深く心を悩まされている。
そんなある日、組織のトップ会長が交通事故死する。乗った車が暴走するトラックに押しつぶされるが、明らかに組織の誰かが裏切って暗殺したものだ。
カン課長はこれを機会に一気に組織の粉砕を目論み、「新世界」作戦をジャソンに命じる。
跡目を争うのはNO2のチョン・チョン理事かNO3のイ・ジュング理事(パク・ソンウン)だ。イは当然組織のトップは韓国人がなるべきだと部下を纏めに入るがカン課長の謀略で突如、逮捕収監される。カンは上海に向かうチョン・チョンに接触し組織の内情が詳しく報告された資料を見せる。彼は組織内部に密告者がいるのだと確信する。中国から韓国警察庁のデータをハッカーしたチョン・チョンはカンとの協力を反故にし中国人殺人集団を呼び寄せ、密告者たちの粛清に乗り出す。

ここが一番スリルのある場面だ。倉庫に呼び出されたジャンソンは自分と警察のツナギ役のシヌ刑事(ソン・ジヒョ)が血まみれでドラム缶の中で縛られているのを見る。シヌはジャンソンの囲碁の教師として週に2度会っている女性だ。更にもう一人組織の中に潜入している刑事がいるとチョン・チョンは宣言する。てっきり身分がバレたとジャンソンは覚悟を決めるが、撃ち殺されたのは彼の隣りに立っていた幹部。ジャンソンは部下の拳銃を抜き、シヌを撃ち殺す。潜入が明らかになるのを防ぐためとこれ以上の拷問にシヌは耐えられないだろうとの親心だ。複雑なジャンソンの心情を見事に描くシーンだ。

自分を育ててくれ帰りを待っている父なる警察への「忠誠」か、同じマイノリティ民族・チョン・チョンとの兄弟の「絆」か?
 ジャソンがどちらを選ぶかは最後まで引き延ばされる。
新しく会長に推挙したボンクラなチャン・スギ理事(チェ・イルファ)の裏切りやそれを見抜くジャンソンの叡智。警察庁で唯一ジャンソンの身分を知っているカン課長とコ局長(チュ・ジンモ)の対処など、「ゴッドファーザー」でアルパチーノがとったような電光石火の作戦には目を見張る。

 心が深く傷ついた孤独な男、マイノリティ民族の男が夢見た「新しい世界」とは何なのだろう?余韻を残して映画は終わる。

 最近これほどスリリングなノワール映画を見たことない。

2月1日より丸の内TOEI他で公開される。

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