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【サッカー】

浦和、痛恨ドローで首位陥落 後半ロスタイムの失点で白星消える

2014年11月30日 紙面から

鳥栖と引き分け、サポーターにあいさつする浦和イレブン=ベストアメニティスタジアム

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 浦和、残り10秒で首位陥落−。浦和は後半ロスタイム残り10秒の失点で痛恨ドロー、8月から死守してきた首位の座を、最終節を残してついに明け渡した。G大阪がFW宇佐美の2得点などで神戸を下し、勝ち点62で浦和と並んだが、得失点差で7点上回り今季初めて奪首。鹿島はC大阪に大勝し、最終節での逆転優勝に望みをつないだ。敗れたC大阪は16位以下が確定し、来季のJ2降格が決まった。仙台は徳島に競り勝ち、J1残留を決めた。

◇J1第33節 鳥栖1−1浦和

 動けない。声も出ない。悪夢の同点から10秒、無情のホイッスルが長く響く。FW李はその場に突っ伏し、DF槙野はへたり込んだ。MF柏木は大の字になって天を仰いだ。過去2戦2敗の“鬼門”ベアスタでまたも勝ちきれず、選手たちの心は粉々に打ち砕かれた。

 「ドローであっても、大量失点した試合と同じような気持ち。最後の1分で(勝ち)試合を失ってしまった…」とMFマルシオ・リシャルデス。その顔には深い後悔の念がにじんでいた。

 鳥栖のパワープレーに対し、那須、槙野、西川ら守備陣は耐え、何度もはね返し続けた。「パーフェクトな守備ができていた」と森脇。冷静に、でも球際では熱く、激しくファイトした。後半24分、阿部がPKでもぎ取った1点。リードは最少も相手は10人で数的にも勝っていた。勝てる−。だが、最後に悲運のドラマが待っていた。

 後半49分、鳥栖の左CK。ラストワンプレーに鳥栖はGK林までゴール前に上がってきた。「マークは足りていた」とはGK西川。なのに…。途中出場のDF小林に頭で押し込まれた。ゴール前の混戦で阿部、青木、柏木らMF陣はその弾道をただ見送ることしかできなかった。

 「集中の問題か、運の問題か。サッカーの神様がついてこなかった。相当ダメージは大きい」。槙野は懸命に言葉を探し、そう絞り出すように言った。

 8年ぶりの優勝に手をかけていた前節のG大阪との天王山で敗北。気持ちを切り替えて臨んだはずの鳥栖戦でもまさかのドロー劇で首位の座からも15節ぶりに転落。自力優勝の目も消滅した。

 最終節はホームで名古屋戦。槙野は「まだ何が起こるか分からない。1%でも可能性がある限り」と言えば、李は「ガンバに“奇跡”(引き分け以下)を起こしてほしい」と神頼みしたが、ここ5戦の尻すぼみ感はぬぐえない事実。このまま屈辱的な終戦を迎えるのか。浦和が一気に追い詰められた。 (松岡祐司)

 

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