2014衆院選:12選挙区情勢/2 /北海道

毎日新聞 2014年11月28日 地方版

 ◆4区 札幌市手稲区、後志管内

 ◇民主元職、奪還狙う

 「後志の皆さんからも、手稲や小樽の方たちに声をかけてもらいたい」。自民前職の中村裕之氏は23日、地元・余市町の事務所開きで、後志地方の支援者を前に訴えた。

 道横断道・余市−共和インターチェンジ間の着工決定など実績を強調する中村氏だが、鍵となるのは有権者が多い手稲など都市部の票だ。自民道連幹部は「手稲でどれだけ相手の票を奪えるかが勝負だ」と話す。

 一方、民主元職の鉢呂吉雄氏は今回の選挙を「最大のチャンス」と位置づける。朝は手稲区や小樽市の駅前で街頭演説、その後は街宣車で街中を回ったり、企業訪問したりするなど「どぶ板選挙」を展開している。

 7期通算22年のベテランだが、前回、落選した後は支援者や企業など地元回りを精力的にこなした。鉢呂氏は「地元経済が疲弊しているとよく分かった。前回とは比べものにならないほど民主への期待を感じる」と自信をみせる。

 共産新人の酒井隆裕氏は北海道電力泊原発を抱える選挙区だけに、原発再稼働に反対姿勢を鮮明にする。小樽を中心に街頭に立ち浸透を図っている。【遠藤修平】

 ◆5区札幌市厚別区、石狩管内

 ◇自民重鎮に民主挑む

 「今回は自分で選挙区を回って活動できると考えています」。12選を目指す自民の重鎮、町村信孝氏は前回、体調不良で自ら選挙活動ができなかったが、今回は回復ぶりをアピールする。

 11月は道内外の集会を精力的に回り、陣営からも「無理はさせられないが、今回は安心して選挙に臨める」と安堵(あんど)の声も。派閥の領袖(りょうしゅう)だけに、選挙期間中は他陣営の応援に回る機会が増えるが、その間は道議や各市町村議がフル稼働し、本人が不在がちの地盤を引き締める。

 「今回の選挙は安倍政権の経済政策を続けるか止めるのかが争点になる選挙です」。民主新人の勝部賢志氏は24日に札幌市厚別区で聴衆に訴えかけた。総支部長の不在が長く続き、道連幹事長を務める自身が道議を辞して挑むことになった。ただ、ある民主市議が「地盤の江別市外に出れば、勝部と言う名は誰も知らない」と指摘するように、出馬表明が遅れたこともあり、知名度が高くないのが大きな課題だ。活動量を増やして本人が前面に出て、遅れを挽回する狙い。

 共産は前回に続き、新人の鈴木龍次氏を擁立。早朝のつじ立ちを繰り返しており、党の政策の浸透を図る。【野原寛史】

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