2014衆院選:12選挙区情勢/1 /北海道

毎日新聞 2014年11月27日 地方版

 前回は民主と維新、みんながそれぞれ候補者を出し、合計得票数が吉川氏を4000票以上、上回った。候補が乱立するほど自民は有利とされるが、吉川陣営の関係者は「『アベノミクス解散』の意義が支持者に伝わっていない。相手陣営への批判より丁寧な説明に重きを置く」と引き締めを図る。共産新人の金倉昌俊氏は安倍政権の経済政策に批判を強め、支持拡大を目指す。【久野華代】

 ◆3区 札幌市白石・豊平・清田区

 ◇前職2氏が競り合う

 自民と民主が毎回競り合ってきた激戦区。過去4回の結果は2勝2敗。政権交代への期待が高まった09年には民主のベテラン、荒井聡氏が自民候補に大差で勝利した。しかし民主への逆風が吹き荒れた前回は大地や維新も候補を擁立したこともあり、自民新人の高木宏寿氏が制した。

 高木氏は初当選から約2年で再び選挙を迎え、地盤固めが万全とはいえないという。前回ほど自民に追い風がない中、「この2年間の実績を訴えていく」と言い、名前が浸透していない白石区と清田区に力を入れる方針。

 一方、荒井氏は前回、比例復活で6回目の当選を果たした。今夏、地域の約30の後援会組織を回り、集団的自衛権などをテーマに国政報告会を重ねた。「かなり浸透してきていると思う」と手応えを感じている。アベノミクスへの批判など経済政策や安全保障問題を訴えるという。

 前回、候補者5人が乱立した中で初出馬で3位にくい込んだ維新新人の小和田康文氏は、経済政策と地方分権を中心に2大政党との違いを訴えたいとしている。共産は新人の吉岡弘子氏を擁立。消費増税の中止や集団的自衛権行使容認反対などを掲げる。【三股智子】=つづく

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■立候補予定者 

◇1区

船橋利実 54 [元]道議 (1)自前

横路孝弘 73 [元]衆院議長 (11)民前

野呂田博之 56 党地区副委長 共新

◇2区

吉川貴盛 64 [元]副農相 (4)自前

松木謙公 55 [元]農水政務官 (3)維元

金倉昌俊 40 党地区委員長 共新

池田真紀 42 社会福祉士 無新

 

◇3区

高木宏寿 54 [元]道議 (1)自前

荒井聡 68 [元]国家戦略相 (6)民前

小和田康文 44 行政書士 維新

吉岡弘子 63 党地区委員 共新

※26日現在、毎日新聞社調べ。氏名、年齢(27日現在)、職業・肩書、当選回数、政党名、前職・元職・新人の区別の順

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