平原が番手差しでV 競輪祭 【小倉】
小倉競輪(北九州メディアドーム)で熱戦を繰り広げたG1「第56回競輪祭」(優勝賞金2900万円)は24日、最終11Rで決勝戦があり、平原康多(埼玉)が番手差しで優勝。2着は逃げ粘った武田豊樹(茨城)、3着には武田ラインの3番手を追走した神山雄一郎(栃木)が入った。平原の競輪祭Vは5年ぶり2回目。KEIRNグランプリ(GP)2014の出場も決めた。シリーズの車券売上額は98億8147万円(目標110億円)だった。
■ヒーロー 最高のハコ展開で優勝
「まだ、夢の中にいるみたい。最後の最後に間に合ってうれしい」。今年最後のG1でグランプリ出場切符をつかんだ平原康多は、程よい脱力感の中、率直なコメントを発した。
勝負の大勢は、前日の共同インタビュー前にほぼ決まっていた。最大の勝因に「関東で4車が並べた」ことを挙げた通り、武田豊樹が気迫のこもった先行策に出ると、別線は太刀打ちのしようがなかった。「武田さんが強かったし、あとは稲垣さんを止めるだけだった。余裕があった」
1カ月後には、今年の総決算・GPがやってくる。「じっくりと考えて(ラインで)上位独占をしたい」。9人が出そろい、関東、中部、近畿の三つどもえのライン戦が濃厚になった。
今度は平原が関東の先頭なのか、それともまた、武田の番手なのか-。今から興味は尽きない。 (森川)
■決勝戦VTR
稲垣-浅井-金子、山崎-佐藤、武田-平原-神山-木暮で周回。武田が赤板で先頭に立つと、徐々にペースを上げて主導権。ハコ無風の平原が、2角手前から5番手捲りを打った稲垣をけん制して、G前チョイ差し。北日本勢は8番手で動けず。
■戦い終わって
武田豊(2着)自分の車券が売れていなかったので悔しかった(笑い)。先頭を走る以上、仲間たちと決めたかったし、その走りができて良かった。
神山雄(3着)2着、2着、2着で勝ち上がったのに最後は1つ順位が下がっちゃった。(後輩にGP出場が心配だったと言われて)おかげさまで(苦笑)
浅井康(4着)稲垣さんの番手を回ったのは、グランプリで深谷の後ろを回るために、スピードを体感しておきたかったから。
木暮安(5着)真後ろの稲垣さんに重圧をかけられただろうし、自分なりにやれることをやった。
稲垣裕(6着)自分のレースはやれたが…。完全に、武田さんに力負け。前にいた木暮君の動きもプレッシャーになった。
金子貴(7着)武田さんが2着? 強いですね…。稲垣君は早めに仕掛けてくれたし、仕方ない。
佐藤友(8着)突っ込むコースを間違えて、金子さんを押してしまった。番手の走りを磨かないとね。
山崎芳(9着)結果的には、打鐘で一気にカマすくらしか手だてがなかった。武田さんが強過ぎた。
岩津裕(GP決定)決勝戦の時は新幹線車内にいました。レースは見ず、結果を先輩から聞きました。今年の目標にしていたGP出場とG1優勝のうち、一つを達成できてうれしいですね。(※電話取材)
新田祐大(GP落選)今年一年、いい経験ができた。また来年、頑張ります。
◆平原康多(ひらはら・こうた)1982年6月11日生まれ、埼玉県狭山市出身、32歳、87期。2002年8月デビュー。通算成績は857走で235勝、優勝36回(G15勝)。通算取得賞金は6億9350万2200円。身長185センチ、99キロ、血液型A、師匠は太田耕二(59期、引退)。
=2014/11/25付 西日本スポーツ=