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エジプト 元大統領無罪判決に若者の反発も11月30日 4時05分
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エジプトで3年前の民主化運動「アラブの春」によって退陣したムバラク元大統領が、反政府デモの参加者の殺害を指示した罪などに問われていた裁判で、エジプトの裁判所は公訴を棄却する事実上の無罪判決を出し、元大統領による強権的な体制からの変革を求めた若者たちが反発しています。
ムバラク元大統領は、2011年に民主化を求める市民の反政府デモによって辞任に追い込まれたあと、反政府デモの参加者の殺害を指示した罪などに問われ、おととし終身刑を言い渡されましたが、審理をやり直す裁判が行われてきました。
エジプトの裁判所は29日に開かれた判決公判で、検察の手続きに不備があったとして公訴を棄却し、ムバラク元大統領に事実上の無罪判決を出しました。
検察側は上訴するかどうか近く判断するものとみられます。
AFP通信によりますと、ムバラク元大統領は判決のあと、拘束されている軍の病院から地元テレビ局の電話インタビューに答え、「私は間違ったことは何もしていない」と述べ改めて潔白を主張しました。
また、裁判所に集まった元大統領の支持者は「判決はエジプト全体の勝利だ」などと喜びを表していました。
ただ3年前の反政府デモでは治安部隊による発砲などで800人余りが死亡していて、元大統領による強権的な体制の変革を求めて民主化運動に参加した若者のグループは「われわれはあくまで犯罪者の責任を追及していく」とする声明を出し強く反発しています。