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【サッカー】

G大阪、清水撃破で2冠に王手

2014年11月27日 紙面から

◇第94回天皇杯全日本選手権<第13日> G大阪5−2清水

 ガンバ、2冠まであと1勝−。サッカーの第94回天皇杯全日本選手権第13日は26日、東京・味の素スタジアムなどで準決勝2試合を行い、G大阪と山形が来月13日の決勝(横浜・日産スタジアム)に進出した。G大阪は5−2で清水を、山形は3−2で千葉をそれぞれ振り切った。既にナビスコ杯を制し、史上2クラブ目となる「同一シーズン国内3冠達成」の期待が懸かるG大阪は5大会ぶり3度目、山形は初の優勝(ともにJリーグ開始の1993年以降)を目指す。G大阪は2−2の前半37分にFWパトリックが頭で決めて勝ち越し。後半に入って、FW宇佐美、リンスが加点し、突き放した。山形は2−2の後半26分にDF山田が決勝ゴールを決めた。

 今季に懸ける志を象徴するようなG大阪の圧巻ゴールショー。ハイライトは1点リードで迎えた後半27分だった。DF丹羽から最前線へのロングボールをFWパトリックが球を落とした所に宇佐美が走り込む。

 「キーパーの位置が良くなかった。(頭の上を)越して打てば入る。ひらめいたというより、あれしか考えていなかった」。ゴールまで約25メートルの距離。宇佐美は右足でこすり上げるようにループシュートを放った。大きな弧を描いた弾道はバーをかすめてネットを揺らした。先発平均年齢22・5歳のヤングエスパルスがピッチにひざまずく劇弾には、アイデアと高い技術が凝縮していた。

 だが、宇佐美が最も喜んだのはそこではない。エースとしての意地、感覚、流れを取り戻した瞬間があった。

 試合開始9分。宇佐美がゴール前左から放ったミドルシュートを、相手GK櫛引がファンブルしてゴールイン。10月9日のナビスコ杯・川崎戦以来、公式戦8試合ぶりの得点だった。ストライカーとしては不本意この上ないゴールが、苦しみも悩みも押し流していた。

 「どんなんでもいい。どんな形でもゴールすれば楽になる。点を取るとはそういうことなんで。コースは甘かったけどミスに助けられた。残りシーズンにつながる感覚。先につながるゴール。いつか取れると思っていた。個人としてはあれで気が楽になった」

 今季3度目、約4カ月ぶりの1試合2得点で、戴冠したナビスコ杯に続き、天皇杯も王手。2位で浦和を追走するJ1リーグも含む「3冠」に向け、不調だった絶対エースにも火がつき、チームのギアはいよいよレッドゾーンに入る。

 「他チームより試合が多いのはサッカー選手冥利(みょうり)に尽きる。流れができてきた。ラスト3試合、点を取っていく」。どん底から抜け出した宇佐美に、もう怖い物はない。 (松岡祐司)

 

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