Fuzzy Logic

時事ネタ、音楽、映画、本、TV番組などなど、幅広く適当に語ります。

なぜ働かなければならないのか


働こうと思えない自分 - 嫌なことから逃げちゃダメですか?

↑これを読んで。メチャクチャ考えさせられたので、自分なりに考え方をまとめておきたいと思います。ていうか、そもそもこういうことに疑問を持てる、ということ自体が凄いなーと思う。ぼくなんてホント何にも考えずに就活してたよ…


「社会というシステムを維持するためのコスト」としての労働

さて「なぜ人は働かなくてはならないのか」。

まぁぼくも含め、大体の人は生きていくために、お金を得るために働いてます。逆を言えば、お金を持ってりゃ別に働く必要なんてない。親の脛をかじっちゃいけない、なんて法律はないんだし*1

「働くことでお金を得る」ということ。それについては以前こんなことを書きました。

会社員はなぜその会社に勤めているのでしょうか。端的に言えば、その会社が行っている「事業」を運営していくために所属しています。では「事業」とは。物凄く大きく言えば、「『社会の役に立つこと、社会から求められていること』をすること」です。


「社会から求められている商品やサービスを提供すること」や、「社会の役に立つことをすること」でお金を得る。その流れは、企業の従業員であっても、フリーランスであっても、本質的には変わりません。いち会社員という立場だとあまり意識する機会はないかもしれませんが、世の中の人たちは皆、何らかの事業運営に参画することで社会の役に立ち、その対価としてのお金を得ているわけなんですね。


初めての電子書籍を読んだ感想(「レールの外ってこんな景色」を読んで) - Fuzzy Logic

「お金を得る」ということは、イコール「社会に対して何らかの貢献をする」ということです。そういう意味では賃労働とは、社会を維持していくために個人が支払わなくてはならない一種の「コスト」のようなものかもしれないですね。

「いやいや、働いてまで社会にコーケンなんかしたくないよ」という人もいると思います。そうですよね。「社会」なんつー、わけのわからない胡散臭いものを維持するために、なんで労働なんてしなきゃならないのさ。

じゃあ、社会って一体なんなのか。

社会が崩壊した世界――例えば、「北斗の拳」みたいな世界を想像してみます。全ての秩序が壊れ、「暴力」を持つ者が全てを自由にできる世界。弱い者や女性、子供はまともに生きていくことすら難しい。それこそ、ケンシロウくらい強くないと自由に生きていけない世界です。

要するに社会とは、そういった強くない人、賢くない人でも平等に、より多くの人が生きていくためのシステムです。弱い人、劣っている者が比較的不自由なく生きていけるのは、社会というシステムがあるからなんですね*2


社会に対して支払うコストの種類

賃労働とは、「社会に貢献すること」ひいては「社会というシステムを維持していくためのコスト」である、とまとめました。

いやいや、それでもぼくは働きたくないんや! というのもわかります。しかし、社会というシステムの中で生きていくためには、社会に対して何らかのコストを支払う必要がある。じゃあどうすればいいのか。

まぁ最も安直な方法としては、「投資をする」という方法があります。自分が働きたくないのなら、自分の「お金」に働いてもらえばいいじゃない、という発想ですね。

例えば、今自分が1億円持っていたとして、それを年4%の利回りで運用すれば利払いだけで年間400万円(税引き前)の収入になります。これならなんとか暮らしていけそうな金額ですね。4%での運用自体も、そこまで難易度は高くないでしょうし。それだけ元手があれば不動産でも株式でもなんでもいけそうです。

要するに、「投資」も「労働」と同じで、「運用リスク」というコストを社会に支払っている、という考え方が出来ると思います。ちなみに「労働」の場合のリスクとは、自分の「体力」や「時間」です。


どういうコストを支払うのか

まとめると、「労働」とは、社会で生きていくために支払わなければならないコストの一形態である、ということになりそうです。

どういう形でコストを支払うのかは個人の選択です。 自分の「時間」なのか、「技術」なのか、「資本」なのか。 別に「労働」でなければならない、なんてことはない。資本主義って、そういうシステムですから。

しかし、社会というシステムの恩恵を受けて生きていくのなら、何らかのコストは支払わなければならない*3

それは肝に銘じて生きていきたい、と社会でしか生きていけない弱い存在であるぼくは思っています。

*1:むしろ個人的には、そういう人はどんどん脛をかじるべきだと思いますね。しかし、よほどの資産家でもなければ、自分の寿命が尽きる前に親の遺産の方が尽きるでしょう。その時のリスクヘッジのために働く人も多いんじゃないかしら。逆にそのリスクを重大視しないのなら、自分の寿命と遺産を天秤にかけた壮大なチキンレースに突入するのもありかもしれない。

*2:余談ですが、よくドラゴンボールの悟空は働いてないって言われますよね。それはなぜかというと、悟空ほどの強さがあるなら、別に社会というシステムの恩恵を受けなくても生きていけるからです。お金なんかなくても、その辺から魚やら動物やら捕まえてくればいい。スタンドアローンで生きていける人にとっては、社会に参画するメリットって実はあんまりないんですよね

*3:じゃあ、生活保護はどう考えるのか、って言われそうですが、ちょっとぼくにも明確な答えがありません。自分が支払うべきコストを誰か他の余裕のある人に肩代わりしてもらい、後にコストを負担できるようになるため、という考え方なのか。人道的、人権的な見地からの要請という面ももちろんあるでしょう。ちょっと調べてみたいですね。