2014年11月29日22時03分
与野党8党の党首が29日夜、衆院選を前に、インターネット動画投稿サイト「ニコニコ動画」での党首討論で、経済政策を中心に論戦をかわした。安倍晋三首相(自民党総裁)はアベノミクスの成果を強調。これに対し、民主党の海江田万里代表らが「国民の8割が景気回復の実感がない」などと批判した。
安倍首相は有効求人倍率や賃金、ボーナスなど第2次安倍政権で上昇した経済指標を列挙しながら「15年苦しんだデフレから脱却するチャンスをつかんだ。この道しかない。アベノミクスを進め、すみずみに景気の風を届ける」などと訴えた。公明党の山口那津男代表は「消費税10%への引き上げを1年半延期し、それに伴い軽減税率の導入を目指す」と強調。「これからは地方、中小・小規模企業、家計へという努力をしていく」との考えを示した。
これに対し、野党はアベノミクス批判を展開した。
海江田氏は「安倍氏は雇用が100万人増えたというが、ほとんどが非正規雇用だ。正規は9万人も減っている」、維新の党の江田憲司代表は「農業や電力、医療など成長分野で、官僚が手かせ足かせをかけている。首相が言う『岩盤規制』が打ち砕けていない」と指摘。共産党の志位和夫委員長は「円安による物価高で生活苦が起きている。実質賃金は15カ月連続マイナスだ。『この道』に先はない」と批判した。
生活の党の小沢一郎代表は「非正規雇用の割合がさらに拡大する。景気を良くするには個人消費を拡大する以外にない」と強調。社民党の吉田忠智党首も「アベノミクスは富裕層、大企業を優遇するが、中間層、中小企業を切り捨ててきた」と訴えた。
一方、次世代の党の平沼赳夫党首は「安倍政権には及第点をあげられるが、地方は疲弊している」と語った。
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