2014.11.30 05:05(2/3ページ)

浦和、15試合ぶり首位陥落…残り10秒で失点し悪夢ドロー

後半終了間際、鳥栖に同点ゴールを許し呆然とする浦和イレブンとサポーター=ベストアメニティスタジアム(撮影・吉澤良太)

後半終了間際、鳥栖に同点ゴールを許し呆然とする浦和イレブンとサポーター=ベストアメニティスタジアム(撮影・吉澤良太)【拡大】

 数秒前に起きた悲劇を受け入れられない。ゲーム再開直後に長いホイッスルが鳴ると、浦和イレブンはピッチに崩れ落ちた。MF柏木は大の字に倒れ、DF槙野は座ったまま動けなかった。

 「引き分けでも大量失点した試合と同じ気持ち。最後の1分で試合を失ってしまった」

 MFマルシオリシャルデスがうつむいた。1-0で4分と表示された後半ロスタイムも3分50秒が経過。鳥栖はラストチャンスの左CKで、GK林を前線に上げるパワープレーを仕掛けてきた。浦和は全員でゴール前を固めたが、巧みにマークを外した相手DF小林に頭で右隅へ流し込まれた。日本代表GK西川は、「流れの中でやられる雰囲気はなかったのに」と肩を落とした。

 後半22分にFW李忠成が倒されて得たPKをMF阿部が決めて先制。さらに、このファウルで相手が退場処分となり数的優位に立ったが、好機に李やDF森脇が外したのが響いた。15節ぶりに首位から陥落し、自力優勝の可能性が消えた。昨年は1-4で敗れ、優勝の芽がついえた「鬼門」のアウェー鳥栖戦で再び惨劇は起きた。

 失意のロッカールームでは「何で入ってしまったんだ」などと、かすれ声が響いた。前節はG大阪との直接対決に0-2で完敗。MF柏木は「目を閉じるとG大阪戦が頭に浮かんだ。インターネットを見ることもできなかった」と敗戦のショックを引きずっていた。

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