鹿児島のツルから高病原性鳥インフル
2014年11月29日17時37分 スポーツ報知
鹿児島県は29日、出水市で衰弱した状態で見つかったマナヅル1羽の確定検査の結果、H5N8型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。県は対策本部を設置、ツル発見場所から半径3キロ以内の養鶏農場33軒を30日に立ち入り検査し、異常の有無や防疫態勢を確認する。半径10キロ以内の養鶏農場には消毒用の石灰を配布する。
周辺は県内有数の養鶏地帯で、感染拡大が懸念される。また出水市は国内最大のツル越冬地で、今月15日には飛来数が記録開始以来最多の1万4378羽となった。環境省は野鳥緊急調査チームを12月2日に派遣、野鳥のふんを採取するなどして感染状況を調べる。
環境省によると、国内では今月に入り、島根、千葉、鳥取の3県で野鳥のふんからH5N8型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出され、今回で4例目。小里泰弘環境副大臣が12月1日、現地を視察する予定。
県によると、出水市高尾野町下水流の水田で今月23日、同市の監視員が衰弱したマナヅルを発見し、27日に遺伝子検査で鳥インフルエンザウイルスを検出。鹿児島大で確定検査を進めていた。環境省は半径10キロ以内を野鳥監視重点区域に定め、県や出水市などとパトロール。28日に衰弱したカモを発見し、検査している。
出水平野のツルは国の特別天然記念物に指定され、今年は10月23日に第1陣が飛来。18季連続で1万羽を超える「万羽鶴」となっている。