ハンデなし!チェス元世界王者に羽生4冠連敗
2014年11月29日6時0分 スポーツ報知
将棋の羽生善治4冠(44)=名人、王位、王座、棋聖=が28日、東京都内でのチェス対局で、元世界王者のガリ・カスパロフ氏(51)=ロシア=と対戦。ハンデなしで挑んだ2局に連敗した。
敗れたが、名人は晴れやかな笑みを見せた。「力の差をまざまざと見せつけられましたが、カスパロフさんのすごさを実感できたことはかけがえのない経験になりました」。実はチェスでも日本ランキング1位の実力を誇る羽生は、後手の第1局は序盤で差を付けられて完敗。先手の第2局は熱戦を演じるも、終盤で圧倒された。「今まで対局したどんなプレーヤーよりも、一手ごとに追いつめられていくような感覚が強くありました」
一方、1985年から15年間にわたって世界王座を保持、97年にはチェスコンピューター「ディープブルー」に敗れたことが世界的な話題となったカスパロフ氏は「(敗れれば)失うものがたくさんあったので非常に緊張した」とホッとした表情。第2局ではドローを選択できる局面を放棄し、勝利にこだわった。「プロのチェスプレーヤーとして、全てのチャンスを使い切らないのは見ている人々に対してアンフェアだと思ったんだ」。既に現役は退いたが、チェス界のプライドを懸けた真剣勝負だったことを明かした。(北野 新太)