【晋を問う・各党各論】次世代・平沼党首「石原さんに頑張ってもらう」全国応援行脚へ
今夏に日本維新の会から分党した次世代の党は、石原慎太郎最高顧問(82)の知名度を最大限、生かす。平沼赳夫党首(75)は「石原氏には全国くまなく回っていただく」と明言。一時は政界引退もささやかれた、自他ともに認める82歳の“暴走老人”を、そのまま爆走させる戦略を披露した。一方、日本共産党の志位和夫委員長(60)は「自民党を止めるのは共産党だけ」と述べ、対抗勢力としての存在感をアピールした。(聞き手・樋口 智城)
―突然の総選挙になった。
「大義名分のない解散だが、総理が解散権を持っているから雄々しく受けて立たざるを得ない。ただ、国費で600億円以上かかるような選挙は、国民のみなさまにも本当に申し訳ない」
―アベノミクスの評価については?
「第一、第二の矢はそれなりに成果は出た。株価が上がったり雇用改善されたり。でも、肝心の成長戦略の第三の矢が…」
―具体的に言うと。
「例えば地方創生とか女性の活用に具体性がない。国が200兆円ぐらいの基金を積んで、全国にお金が回るようにすれば、経済は回復する。あと党是である自主憲法確立、安全保障体制の確立も訴えていきたい」
―目標議席は?
「法案提出権がある21名はとりあえず目標。現職の19人から増やしたい」
―党の最高顧問・石原慎太郎氏が政界引退かと騒がれたが、結局は比例東京での出馬となった。
「引退とか決めてなかったんですが…。『老兵は死なず、ただ消え去るのみ』と発言したから、マスコミが引退表明ととったんでしょう」
―石原氏からは。
「実力があって知名度ある方。党首として『ぜひ出ていただきたい』とお願いしたら『だったら全国で応援に回る』と言われて比例の候補になった」
頼りすぎ懸念「発信は必要」 ―北海道から沖縄まで?
「くまなく回るんじゃないかな。『一生懸命応援するよ、必要なら声かけてくれ』ともおっしゃっていたから。事務局が日程調整しています」
―82歳で、昨年は軽い脳梗塞も発症。お体が心配だが…。
「ハコモノ(室内での演説)だったら大丈夫でしょう。82歳にしては元気だからなぁ」
―石原氏を前面に出す戦いになる。
「最高顧問なんだから。石原さんに頑張ってもらうことが党にとっても大切なことだと思いますよ」
―頼りすぎという批判もあるが。
「私は懸念していない。候補者が通るように石原さんの全国的な知名度を浸透させて、その考え方をどんどん発信することが必要だと思います」