菅野に20勝&沢村賞!白石オーナー厳命「届く距離にいる」
巨人・菅野智之投手(25)が28日、白石興二郎オーナー(68)から来季の20勝&沢村賞を厳命された。2人は神奈川県内で行われた球団納会ゴルフで同組でラウンド。その後、白石オーナーは「20勝というのはまったくの夢ではない。(沢村賞も)ローテーションをこなせば十分手の届く距離にいる」とゲキを飛ばした。「期待に応えるのが仕事」と答えた右腕。来季、1999年の上原浩治以来のダブル達成を目指す。
真剣な表情で、トップが菅野に大きな目標を課した。ゴルフ終了後、報道陣の取材に応じた白石オーナーは「20勝投手というのは、我々も期待している。全くの夢ではないし、ぜひ20勝投手として、勝ち名乗りを上げられるように育ってもらいたい」と言い、今季の勝ち星(12勝)プラス8勝の大台を設定。さらに、投手としての最高の栄誉である沢村賞についても「本人も意識しているのではないかな。十分、手の届く距離にいる」と期待した。
巨人で最後に20勝を挙げたのは99年の上原浩治(現レッドソックス)が最後。沢村賞は02年の上原以来、受賞から遠ざかっている。同時達成は、チームとしては99年の上原以来となる。球史に名を残す偉業に挑戦することになるが「期待に応えるのが僕の仕事ですし、期待通りの働きをしたいし、しないといけない。少しでも近づけるように頑張ります」と、右腕は重責を果たす意欲を見せた。
今季、最優秀防御率(2・33)のタイトルを獲得したが、故障で2度、チームを離脱した。阪神とのクライマックスシリーズ最終ステージは、右肘じん帯の部分損傷のため出場できなかった。白石オーナーが案じていたのも、そこ だった。
「けががないことが大事。自己管理とチーム全体の管理ができていけば、来季のエース的な存在として十分、期待できる」。シーズンを通じて先発ローテをしっかり守れば、「20勝&沢村賞」が近づいてくる、と強調した。
この日のゴルフは、白石オーナー直々の指名で同組でラウンドした。野球についての会話はなかった、というが、菅野の“スゴ腕”に「レッスンしてもらった。とてもついていけない。やっぱり飛ぶし、うまい。もう来年から一緒に回るのはやめる」とオーナーは苦笑いだった。
「まだまだ上を目指していきたい。すべての数字で今年を上回りたい」と表情を引き締めた菅野。期待を励みに、プロ3年目、いっそうの飛躍を目指す。(岸 慎也)