福島大が中心となって開発した、放射性物質ストロンチウム90の分析装置が、東京電力福島第一原発で12月から実際に使われることになった。東電は汚染水タンク周りの堰(せき)内にたまった雨水の分析に使う予定で、これまで1週間から10日程度かかっていた分析時間を30分ほどに短縮できるという。同大が27日発表した。

 開発は、共生システム理工学類の高貝慶隆准教授(分析化学)を中心にパーキンエルマージャパン(横浜市)などが参加。市販の分析機器にストロンチウム90を自動的に分離する新たな装置を加え、時間短縮を実現させた。

 昨年9月に完成を発表。同原発と協力し、実際の運用を想定して改良と検証を重ねた。分析感度は開発時の10倍に向上し、より低濃度でも測定ができるようになった。検出下限値は1リットルあたり0・3ベクレル、最短23分で測定できる。