はやぶさ2:「残念」の声が次々に 打ち上げ延期
毎日新聞 2014年11月28日 19時31分(最終更新 11月28日 20時04分)
種子島宇宙センター(鹿児島県)から30日に予定していた小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ延期が、28日、三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)から発表された。打ち上げを心待ちにしていた全国の天文ファンらからは残念がる声も上がった。
福島県会津若松市を中心に活動する天文愛好家らで作る「会津そらの会」は、はやぶさ2の成功を祈り、折り鶴の画像で作ったアート作品を27日にJAXAに贈ったばかりだった。会長の知元陽子さん(44)は「メンバーから『残念』という声が次々届いた。延期によってトラブルが避けられたと考え、打ち上げ後は何の問題も起こさずに帰ってくることを期待したい」。
打ち上げ前日の29日に種子島(鹿児島県)で、映画「HAYABUSA2 RETURN TO THE UNIVERSE」の上映を企画した岡山県の会社員、小林伸晴さん(45)は「こういうこともあると聞いていたので、がっかりしていない」と前向きに受け止め、「映画の中のはやぶさ2は予定通り打ち上がる。ぜひ映画を見て行ってほしい」と話した。
パブリックビューイングを予定していた施設は延期や中止の対応に追われた。
日本科学未来館(東京都江東区)では、打ち上げが休館日の12月2日になった場合は中止するが、それ以外の日であれば実施する方向。11月30日は「はやぶさ2」のプロジェクトに関わる研究者のトークイベントを開く。
大阪市立科学館は、設備点検などで12月1〜4日に休館するため、担当者は「中止せざるを得ない」と話した。【大場あい、下桐実雅子、須田桃子】