金曜日。街に出る。なぜ金曜日か?一般OLをターゲットにしているから。一番母数が多く、番号を効率的にGET出来るのがこの曜日。そこで知らない女性に声を掛ける。
確率の問題で、一定数の女性と話し込むことが可能だ。話しこんだら、しかるべきタイミングで番号を交換する。別れた後、メールを送る。48時間以内に返信が来なければ、電話帳から削除。それがルールだ。お、返信をくれた娘がいる。(ここでは「けいこ」と呼ぶ)
「けいこ」とは、「おはよう☆」や「今ランチ♪」などのやりとりをする。すぐ返信しちゃいけない。だって、「がっついている」と思われたくないから。相手が返信に使った時間を計算し、そこに30分を足した時間が理想のタイミングだ。
2~3日、そういったやりとりを続ける。ある程度人間関係のベースが作れたら、「良かったら、飲みにでもいこーよ^o^」こんな感じのメールを送る。2~3日もメールや電話をしていれば、たいてい断らない。「ええ、行きたいかもぉ!僕君、色んなお店知ってそうだし☆」
そりゃあ、12年もナンパしてれば、店は詳しくなるよ....なんて書きたい気持ちを押さえて、いつものお店を予約する。曜日は金曜日か土曜日。理由は、そのまま僕の家に泊まれるから。僕は「ある繁華街」からタクシーでワンメーターの場所に住んでいる。従って、終電を無くしちゃえば僕の勝ち。たいてい、時間は22時開始にしている。
「結構残業が多くてね、遅くまで待たせちゃうんだけど、22時待ち合わせで良いかな?」このメールが1つの「踏み絵」になる。僕教の信者かどうかの踏み絵。ナンパされた男に22時アポを求められれば、「魂胆=発射欲」には気がつくだろう。これで断るなら、無駄なアポに出かけなくて済む。だって僕は、ナンパした女性と話し込むことに何の価値も感じていないから。
「けいこ」から返信だ。「えっ、22時?ちょっと遅めだね(苦笑)でも大丈夫!お仕事優先だよ☆友達と時間潰してる☆」どうやら、この娘は僕教信者みたいだな。
当日、白シャツにスーツで出勤。会社の同僚には、当たり前の様に「今日デート?クラブ?」と聞かれる。「(毎週ナンパしてるんだから、どちらかに決まってるだろうが)」と答えたい気持ちを押え、「そうなんですよ、久々、カワイイOLで...うへへ」なんて返事しながら、一日の勤務開始。
21:00になった。そろそろ向かわねば。トイレに行き、ひげをそる。髪にワックスを付ける。そして富士蕎麦を食べる。腹を一杯にしないと悪酔いしてしまう。お酒が回るのは良いことだが、常に最適なレスポンスをする必要がある(=理想の僕君として会話)し、タイムマネジメントには気を払わなきゃいけない。この日が勝負なのだ。次回は無い。
22:02。店の前で「けいこ」と待ち合わせ。「ここオシャレだね☆良く来るの?」皆決まってこういう質問をする。「ここは駅から遠いし、雰囲気の割に高くないんだよ、しかも横並びですわれるから、イチャつき易いんだ...」なんて答えたい気持ちを押えて、「前、会社のパーティーで使ったんだよ、一度プライベートで来てみたくて」とお決まりの回答。
22:12に乾杯。あとは、ひたすら相手に質問をし、相手が「たくさん情報提供をしてくれる」話題を探す。「開けたい引き出しを開けてあげる」と言うべきか。デートで大事なのは、相手に話させること。人は、話を聞いてくれて、同意してくれる人を評価する傾向にある。ここは、上司とディスカッションする訳ではない。ひたすら同意。
同意にもコツがあって、「言葉を言い換えて同意」する必要がある。そうしないと、本当に理解している様に見えないから。そんなことを2時間を続けていれば、こういう言葉が出てくる。
「何だかぼく君、話しやすい☆私、ここまで自分の***話したことないよ」嘘かほんとか分からないが、0:00の段階でこの言葉が出ればOK。
1:00。店を出る。家に誘う。コンビニでお酒とお菓子を買う・・・
「ガチャッ」
部屋のカギを開ける。一番、達成感がある瞬間だ。僕の部屋は、来客が来たらベットに座るしか無いように設計されている。コンビニで買ったものには手を付けず、「けいこ」のパンツに手を伸ばす・・・・
(ピュッピュッ)