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南三陸町防災庁舎 解体求め遺族会結成

 東日本大震災で43人が犠牲となった南三陸町防災対策庁舎の扱いをめぐり、解体を求める遺族有志は28日、同町歌津で会合を開き、「解体を望む遺族会」を発足させた。震災遺構として庁舎保存の方針を打ち出した県有識者会議に対し、抗議の声明書をまとめた。同会議と村井嘉浩知事、佐藤仁町長に送付する。
 会合には、遺族15人ほどが出席した。声明書で「妥当な結果が出ると待っていた遺族は激怒し混乱した。有識者はどんな考えで決めたのか、その真相を究明する。あの庁舎は見るのもつらい」と主張している。
 出席者によると、会合では「遺族の意見を全く聞かずに判断する有識者会議は、おかしい」「家族を亡くした遺族の気持ちは会議の委員には分からない」といった意見が出た。「町の解体方針を知事が凍結するのはおかしい」などと村井知事への批判もあったという。
 代表に選ばれた同町歌津の阿部勝衛さん(69)は「このままでは、ずるずる保存が決まってしまうという危機感がある。遺族の考えをきちんと示していく」と話した。


2014年11月29日土曜日

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