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「そんなこといちいち示さなくたって、Wikipedia を見ればわかるだろ。さもなくばググれ」
と思うかもしれないが、さにあらず。ネット上には、まともな情報がない。そこで、私が記す。
まず、次のニュースがある。
→ ボイジャー1号が太陽系圏を脱出
このボイジャー1号や、日本のはやぶさは、スイングバイという方法で、軌道を変えた。ではなぜ、そんなことをするのか?
実を言うと、軌道を変えることには、ほとんど意味はない。軌道を変えることぐらいなら、出発点で方向を変えておけば済む問題だ。いちいち途中で軌道を変えたりしたら、遠回りをすることになり、単なる無駄でしかない。だから、「軌道を変えるため」という表現は、不正確だ。(というよりは間違いだ。)
ではなぜ、宇宙探査機はスイングバイをするのか? それは、速度を上げるためだ。具体的な例を示す。
1977年に打上げられたボイジャー1号と2号が、地球軌道から木星へ向けて出発したときの速度は地球の公転速度を足して 40 km/s ほどであり、地球の公転軌道上から太陽系を脱出するのに必要な 42.1 km/s を満たしていなかった。しかし、木星でスイングバイを行い、増速することで太陽系を脱出することができた。
ボイジャー 2 号の場合、地球軌道から約 36 km/s の速度で出発した。木星軌道に達したときには、速度は約 10 km/s になっていたが、木星をスイングバイし、約 21 km/s まで増速した。木星軌道での太陽系脱出速度は 18.5 km/s なので、木星スイングバイにより太陽系を脱出できるようになったといえる。その後、土星軌道に到達したときには、速度は約 16 km/s になっていたが、土星をスイングバイし、約 24 km/s まで増速した。
( → Wikipedia )
このように「速度を高めること」が、主目的である。この点を勘違いしないようにしよう。
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ではなぜ、スイングバイによって速度を高めることができるのか? ここで、次の疑問が生じる。
「近づくときに重力で前から引っ張られて加速しても、遠ざかるときには重力で後から引っ張られて減速するので、差し引きして、トントンでは?」
これは、もっともな疑問である。
実は、重力をもつ惑星が静止している場合には、上のことは正しい。つまり、静止している惑星を対象にスイングバイをしても、速度が上がる効果はない。
しかし、(公転運動で)運動している惑星に近づいたときには、運動する惑星の運動エネルギーをもらうことで、加速することができる。
では、それはどういう原理でか?
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Wikipedia には、次の動画がある。
図の左右方向に移動していた探査機は、下方向に向かう惑星から運動エネルギーをもらって、下方向に向かう速度を得る。こうして、速度を増す。
( ※ 物理の「力の合成」を考えるといい。3辺が3、4、5の直角三角形を考える。水平方向が4で、垂直方向が3なら、その力の合成は斜め方向に5である。かくて、もともとは4だった力が、垂直方向の3という力を受けて、5の大きさになる。力の方向が変わると同時に、力の大きさも変わっている。)
しかし、上の Wikipedia の説明は妥当ではない。なぜか? 現実の探査機は、「惑星軌道に対して垂直に交わる」というような軌道を取っていないからだ。むしろ、ほとんど平行する軌道を取る。
たとえば、「はやぶさ」の軌道は、こうだ。( → 出典 )
見ればわかるように、二つの円軌道はほとんど重なっている。したがって、Wikipedia の説明のように、「軌道が く の字形に折れ曲がる」というようなことはありえない。
つまり、Wikipedia の説明は、妥当ではないのだ。同様の説明をしているサイトはたくさんあるが、いずれも妥当ではない。
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では、正しくは?
「惑星と探査機の軌道はほぼ重なる(ほぼ平行である)」
ということを前提とした上で、次のように説明できる。
(1) 探査機が惑星に近づく。最初は、探査機と惑星はしだいに近づくように見えるが、そのうち、ほぼ平行しながら近づくとわかる。
(2) そして、かなり近づいたとき、惑星は探査機の前方にある。(これが重要!)
(3) 探査機は惑星にどんどん近づく。と同時に、惑星はぐんぐん前方に進んでいく。土星ならば秒速 10 km 。探査機の速度は秒速 10〜20 km 程度。惑星は、探査機と同程度か、ちょっと遅いぐらいの速度で、前方を逃げていく。
(4) 探査機は、前方に逃げていく惑星に引っ張られる。しかも、なかなか追いつかない。こうして長らく引っ張られていくが、その過程で、探査機はどんどん加速していく。
(5) 探査機はどんどん加速したので、最初は秒速 10〜20 km 程度だったが、前方を進む惑星に引っ張られていくうちに、速度が高まって、秒速 20 〜 40 km 程度まで加速した。
(6) 探査機はどんどん加速し、惑星に近づいていく。そのせいで、ぶつかりそうになる。しかし、ぶつからない。なぜなら、ぶつかりかけたころには、惑星は探査機のすぐ前を横切って、横の方に逃げていくからである。この惑星を追う形で、探査機も横の方に軌道を変える。(これがスイングバイで軌道が変わる理由だ。)
(7) 探査機は軌道を変える(曲げる)。だが、すでに惑星を通り過ぎて、惑星からは遠ざかりつつあるので、惑星の重力の影響をあまり受けない。いくらか横に曲がるだけであり、惑星に引っ張られて衝突するようなことはない。
(8) そのまま惑星はどんどん横の方に遠ざかっていく。そのあと、惑星は探査機に対して後ろ向きの重力を強く及ぼすはずなのだが、そのころには、惑星は探査機から横の方に離れてしまっているので、重力を及ぼすことはできなくなる。
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以上を簡単にまとめると、次のようになる。
・ 探査機と惑星が同方向に進むときは、近距離で。
・ 探査機と惑星が逆方向に進むときは、遠距離で。
この二つのことがある。(*)
そして、前者の影響は(近距離なので)大きく、後者の影響は(遠距離なので)小さい。
かくて、探査機と惑星が同方向に進むときの影響だけが強く出る。
ここで、惑星が探査機の前にあれば、探査機は前方の惑星に向けて引っ張られて加速する。
逆に、惑星が探査機の後にあれば、探査機は後方の惑星に向けて引っ張られて減速する。
つまり、加速するか減速するかは、惑星が探査機の前にあるか後にあるかで、大きく異なる。 ……(**)
この(**)の点に注意。これは重要だ。なのに、このことを記述している説明は、あまり見かけないようだ。
ともあれ、スイングバイの原理は、上の (*)と(**)だ。一方、Wikipedia の動画は、不正確だ。
[ 付記1 ]
Wikipedia の動画の、どこが問題か? 惑星の軌道と、探査機の軌道が、ほぼ垂直であることだ。
このような図で説明している人は、かなり多い。
しかし、現実には、惑星の軌道と、探査機の軌道は、ほぼ平行しているのだ。そういう形で説明する必要がある。
なお、Wikipedia の説明のように、二つの軌道がほぼ垂直であれば、(**)のことは意味がない。なぜなら、垂直関係にあるものについては、前とか後とかの概念は成立しないからだ。(前とか後とかの概念が成立するのは、二つのものが同じ方向に進むときだけだ。)
その意味で、Wikipedia の説明に (**)のことが抜けているのは、当然だとも言える。そして、そのことゆえに、Wikipedia の説明は根源的に狂ってしまっているのだ。
なお、Wikipedia の説明が成立するためには、スイングバイの前と後とで、探査機の方向は大きく変わっている必要がある。しかしながら現実には、探査機の方向はあまり変わらない。方向はあまり変わらないまま、速度だけが大幅に上昇する。……このことからしても、Wikipedia の説明が不適切で、本項の説明が適切だ、とわかるだろう。
[ 付記2 ]
ではなぜ Wikipedia は間違った図を掲げたのか?
実は、Wikipedia の図は、「速度を上げるため」でなくて、「方向を変えるため」の説明としては、妥当なのだ。具体的には、次の図がある。( → 出典 )
この図で、探査機は木星(Jupiter)のそばを通るときは軌道をほぼ横切っているが、土星(Saturn)のそばを通るときは軌道に平行に近い。
これはつまり、土星で加速するのが最終目的であり、木星のそばを通るときは、加速するよりも、方向転換が目的であった、ということだ。(うまく土星に接近できるように。)
そして、木星のそばを通るときに方向転換することを説明するには、Wikipedia のように「それぞれの軌道が垂直になる」という感じの図がわかりやすい。だから Wikipedia は、方向転換のための説明として、「それぞれの軌道が垂直になる」という図を用いたのだ。
ただし、その図は、方向転換のための説明としてはいいが、加速のための説明としては不適切だ。そのことに気づかないまま、方向転換のための図を、加速のための図として、用いてしまったのだ。
「慣習にとらわれる」というのは、専門家にはよくあることだが、そういう形で間違えてしまったのだろう。
( ※ Wikipedia の説明は、特に Wikipedia だけにある説明ではなくて、専門家で広く共有されている説明だ。さすがに「これじゃ駄目だな」と内心で思っている専門家もいるようだが、私のようにきちんと説明している人はいないようだ。)
【 追記 】
本項で述べたことは、次のように考えるとわかりやすい。
まず、次の結論がある。
・ 探査機と惑星が同方向に進むときは、近距離で。
・ 探査機と惑星が逆方向に進むときは、遠距離で。
このことを、(宇宙の座標系でなく)探査機の座標系で表現すると、次のようになる。
・ 探査機が惑星に近づきつつあるときは、惑星は前方に位置する。
・ 探査機が惑星から離れつつあるときは、惑星は斜め後方に位置する。
これは、次のように言える。
「 探査機が惑星に近づきつつあるときは、惑星は前方に位置するので、探査機は惑星に引きつけられて、どんどん加速していく。そうして惑星にどんどん近づいて、ついに追い越す。
追い越したあとは? 本来なら、惑星は、探査機の後方にあるはずだった。その場合、前方にあった惑星に引きつけられる加速度(プラス)と、後方にある惑星に引きつけられる加速度(マイナス)とは、量が同じなので、差し引きしてプラスマイナスゼロであるはずだった。つまり、惑星に近づく前と、通り過ぎたあとでは、結果的には何の加速度も得られないはずだった。ところが、現実には違う。通り過ぎたあと、惑星は、探査機の後方に位置するのではなく、斜め後方に位置するのだ!」
つまり、追い越すまでは前方に位置してた惑星が、追い越したあとは(後方ではなく)斜め後方に向かっていくのだ!(探査機の座標系では。)
すると、その分、探査機は後方に引っ張られるマイナスの加速度が弱まる。トータルでは、「プラスの加速度が 1 で、マイナスの加速度が 0.7 だから、差し引きして、0.3 だけプラスの加速度を得る」というふうになる。
そして、こういう結果を得られたのは、「惑星を追い越したあとでは、探査機の座標系から見て、惑星の位置が後方でなく斜め後方に移動する」ということによる。そして、それをもたらしたのが、「探査機の軌道の変化」だ。
つまり、探査機は、軌道の変化を通じて、加速度を得たことになる。軌道の変化そのものが大切なのではなくて、軌道の変化によって加速度を得たことが大切なのだ。……そのことが、「探査機の座標系から見る」ということで、理解できる。
惑星に接近する経路・速度、スイングバイ後の速度・目的地、などに影響され、
必ずしも惑星と宇宙機の軌道が平行であることを要しません。
前提を、平行であるという誤解に置いてしまっているからか、その他の理解も誤っています。
このページの研究を全て頭から消した上で、改めて研鑽されることをお勧めします。
軌道を変えるからこそ、速度も変わると考えられるように。
> 前提を、平行であるという誤解
それはあなたの誤解でしょ。私は誤解していません。
「平行のときに最も効果が大きい」と言っているだけです。典型的な場合を例にしているだけです。
垂直の場合を例にしている Wikipedia とは異なる形で説明しているのがポイント。
なお、軌道を変えることが主目的になったら、「軌道を変えるためにわざわざ遠回りする」ことになるので、たとえ速度が上がったとしても、距離が増えてしまいます。それでは必要時間が増えてしまうので、逆効果。本末転倒。速度を上げるのが目的ではなく、必要時間を短くするのが最終目的です。勘違いしないように。
言葉だけで説明するのは大変難しい分野であると思いますが、
(1)〜(8)と並べて説明されている所で、
スイングバイによって速度を増すミソはなんだとお考えか、お聞かせ願えませんか?
公転運動(≒ 直線運動)をする惑星の引力に引っ張られて、加速することです。
惑星が前にあれば、前に加速。
惑星が後にあれば、後に加速。(= 前に減速)
※ すでに書いてある通り。
なお、
惑星が横にあれば、横に加速。
となります。これは Wikipedia の説明の場合。
この場合、速度は上昇しますが、経路は「三角形の二辺」を取ることになり、最短経路を取ることができなくなるので、経由する距離が長くなってしまいます。速度の上昇と、経由する距離の長さとが、相殺します。結果的に、必要な時間はたいして変わらなくなります。(個別ケースごとに違うが、少し増えたり、少し減ったり、という程度。スイングバイをしない場合と、大差ない。)
その意味で、「惑星が横にある」という図で説明している Wikipedia は、妥当でない。
>惑星が後にあれば、後に加速。(= 前に減速)
は、
>「近づくときに重力で前から引っ張られて加速しても、遠ざかるときには重力で後から引っ張られて減速するので、差し引きして、トントンでは?」
に単純には否定されてしまいますよね?
惑星の公転運動による増速効果が、どのように引き出されるのかハッキリしていないのですが、いかがでしょうか?
確かに、探査機が惑星の後方にある時には、惑星も逃げるので増速時間は増えるかもしれませんが、
探査機が惑星の前方になると、今度は惑星も追いかけることになり、減速時間も増えます。
…と、ここまで書いて気付いたのですが、
>・ 探査機と惑星が同方向に進むときは、近距離で。
>・ 探査機と惑星が逆方向に進むときは、遠距離で。
との記述を見るに、増速時には惑星の近傍にて(つまり最大は後方から追随)、惑星を通過したら速やかに惑星から離脱する、
この差によって、惑星の公転運動から増速効果が引き出されるということでしょうか?
そうです。書いてある通り。
疑問を呈する前に、まずは本文をきちんと読んでください。読めばわかることばかり。
探査機は惑星の後方から接近し、スイングバイによる軌道変更で惑星の後方に戻るのが一番速くなると思いますが、
それでよいですか?
例。先行自動車を追い越したあとで、また先行自動車を追いかけると、どうなるか?
何度も言うけれど、速度を上げることが目的じゃありません。目的を間違えないように。
天動説が主流の世間で、地動説を唱えようとでも言うのでしょうか。
ここに書かれているスイングバイのメカニズムは、
世間一般に流布するものと全く異なるのですが、それは認識されておられますか。
(加えるならば、宇宙物理学に関しての認識にも多くの疑義があるのですが。)
独自研究が嵩じて方向を違えてしまったのなら、それはやむないと思います。
しかし、世間と異なることを認識した上で、この考え方こそが正しい、もしくは、こういう考え方もある、
とされているのでしたら、突っかかった私の落度であったと思います。
わかりやすい説明を加えました。これで、スイングバイの原理が氷解されるでしょう。
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参考:
はやぶさ2 のスイングバイについては、下記で説明されています。
→ http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1302/15/news008_2.html
→ https://www.youtube.com/watch?v=zI0SIvkJVzQ
スイングバイで最重要なポイントは、公転方向を前方として惑星の前を通るか、後ろを通るかですよ。
平行に近い軌道で後ろから追いかけて、なおかつ減速するスイングバイ、管理人さんの理論とは逆に前から接近して加速するスイングバイもあることを管理人さんは失念しているので、単純なベクトル計算を間違ってしまわれたのでしょう。
なお、現実のスインウバイが平行軌道であることが多いのは、垂直に近い軌道で接近できるような速度を得るような推進システムを人類が 持ってないからにすぎません。
後ろから追いかけることが多いのは、外惑星のスイングバイの例を見ているからでしょう。当たり前ですが、外惑星は探査機より遅い公転速度なので。相手が速かったら、永遠に外惑星に近づけませんよね。内惑星へは、太陽の重力で加速されるので減速がさらなるテーマですが
垂直かどうかという話をしているんじゃなくて、「数式を使わないで初歩的に原理を示す」という説明の問題です。
本項は、「小学生にもわかるような説明の仕方」という教育論みたいなものです。物理学者の出番とは違っています。
> 垂直に近い軌道で接近できるような速度を得るような推進システムを人類が 持ってないからにすぎません。
違いますよ。それだったらスイングバイの効率が劣るからです。「方向転換ではなく加速度を得ることが目的だ」というのが本質であり、その本質を理解するために説明しているのが本項です。
あなたはスイングバイの本質(加速度を得ること)を理解できていない。そういう人のために本項を書いているんだが、いくら説明を読んでも、理解できない人というのはいるものです。
細かな揚げ足取りばかりを考えていると、物事の核心を見失う。注意するといいですよ。
これは、ボールが壁にぶつかるとき、上に跳ね上がる速度が最も早いのはどれかという問題と、物理的には同値です。というか、スイングバイでの速度の差し引きは、衝突後の速度の変化の問題そのものです
剛体ならボールははねる前もはねた後も同じ速度ですが、壁が動いていれば外部の系からは衝突後のボールの速度は壁の速度が(いくらか)足されたものになる、ということです。
壁に当たったボールの動作で理解しやすいですよね。これは、壁が下に動いている場合で、サッカーボールのトラップはこの効果を最大にしたものです。
天体運動におきかえると、衝突は双曲運動に置き換えられ、双曲運動を図に書いてみると前を通ると減速、後ろを通ると加速ということが導けます。
絶対的な速度はそうですけど、目的地からの速度で言うと、逆に「最大のマイナスの加速度」ですよ。たとえば、木星をめざしてプラスの速度(10)を得ていたのに、逆方向の速度(20)を得る。これで「加速した」と喜んでいるのかもしれないが、「木星に近づく」という目的からすると、「逆方向の加速度を得た」だけです。逆効果。
物事の本質を見失うと、このように認識の倒錯が起こります。
比喩。
「百円の借金があって困った」
→ 「大丈夫。あと百円、さらに借金すればいい。そうすれば、貸し手は債権が二百円に増えるぞ。大喜び」
局所的な狭い範囲しか見えない人は、大局的な状況を見失う。
スイングバイの加速、減速は太陽から見ての話しで、つまりは目標から見ての速度ですよ。木星から見ると加速も減速もしません。
正面から見ての正面に帰るのが、太陽系の他天体へ向かう際に(太陽視点で)最大の加速を得られる、で間違いないです。例えば海王星軌道に到達する速度を得ようと思ったら、最大効率は木星と同じ方向に軌道を変更するようにスイングバイをするやり方です。ポイントは、木星の運動エネルギーと同じベクトル方向にですね。ここで、海王星ではなく海王星軌道というのもポイントですが
木星と同じ方向に加速したらさらに外側に行けないなんてもし考えるのなら、ニュートン力学すら理解できていないことになります。
絶対的な速度なんて表記をされているところを見ると、天動説レベルの世界観で物事を理解されているようですね。早くガリレオの相対性原理まで理解を進められるとよいと思います。アインシュタインなんて夢のまた夢ですね。
http://www.marble-cafe.com/planet/swingby/swingby.html
多分、文章では理解困難なレベルだと思いますので、こちらがわかりやすく書いてありますよ
あなたの文章、滅茶苦茶すぎて、意味が通らないので、まともな日本語で書いてくれないと、理解できません。
あなたの場合、物理数式より、日本語能力に問題があるようですよ。相手の言うことを理解できていないし、自分の言いたいことを日本語に書けていない。
あと、上のリンクは、とっくに見ています。
> 絶対的な速度
これは、書いたあとで、私も表記がまずかったと感じた。意味は、絶対値(スカラー値)のことで、ベクトル値ではない、という意味。それならわかるでしょ?
──
ところで、あなたの話は、ケチを付けているだけで、情報量はゼロですよ。書くだけ時間の無駄だし、読者にとっても読むだけ無駄。無意味なアラ探しをしてケチを付けることより、もっと建設的なことをすればいいのに。
そもそも惑星の引力に引かれる度合いは、得られる加速度には何の影響もありません。なので、追っかけるのが一番、というのは完全に間違っています。
参考HPを読まれたのなら、本質は衝突による運動量の交換であって、惑星自体の引力の強さは関係ないことがすぐおわかりのはずです。得られる速度は最大で木星の公転速度vの2倍であって、これが地球であっても仮に公転速度が同じvなら得られる最大速度も2vとなります。
なので、後ろから近づくこと、横から近づくことにはほとんど意味がありません。そもそも、木星から見たら、横からだろうが、後ろからだろうが、同じように自身の重力で引きつけていることには何ら変わりなく、重力により与える運動エネルギーも、離脱時に奪う運藤エネルギーも全く同じになります。なので、木星視点からは探査機は侵入前、後で加速も減速もされません。
異なるのは、探査機が離れるときの角度の違いにより、木星自身が奪われる運藤エネルギーだけです。なので、木星が静止している視点では、加減速がないわけです。
(8) そのまま惑星はどんどん横の方に遠ざかっていく。そのあと、惑星は探査機に対して後ろ向きの重力を強く及ぼすはずなのだが、そのころには、惑星は探査機から横の方に離れてしまっているので、重力を及ぼすことはできなくなる。
スイングバイの加速量に関係ないんです。木星の重力は。木星視点ではどんな角度であっても、木星との距離だけで木星による重力エネルギーの大小が決まります。早く近づいてもゆっくり近づいても、解放される位置エネルギー(重力エネルギー)は同じです。なので、後ろから、横から、前からは関係ないんです。そして、木星と離れるときには、どんな方向に離脱しようが、距離のみに比例したエネルギーを奪われるのです。
"衝突して探査機の向きを変えた。そのときのちょっと自分の運動エネルギーを与えた"のがスイングバイで、引きつける重力の大小長短ではないのです。
(4) 探査機は、前方に逃げていく惑星に引っ張られる。しかも、なかなか追いつかない。こうして長らく引っ張られていくが、その過程で、探査機はどんどん加速していく。
正面から近づくときには、加速時間は短い、後ろから近づくときは加速時間は長い、ここまでは正しいのですが...
真後ろから加速時間が長いことで得られる運動エネルギーは、木星の公転速度vに等しいんです。つまり、正面から近づくときはvの分だけ楽に木星近づける、追いつくときにはvの分だけ追いつくのが大変、その差額を接近時間の長短で精算してもらっているだけなので、木星重力からのエネルギーは得でも損でもないんです。
木星の重力の大小は木星の視点(系)で語られるべきものですが、それを太陽視点にもちこんで、あたかも接近方向で重力の及ぼす効力が違うように考えてしまっているのです。
太陽視点と木星視点でのちがいは木星の公転速度vですから、太陽視点になったとたんになぜか探査機に及ぼす重力の効果が変わるのではなく、公転速度vによる木星の運動エネルギーの分の変化がある、と認識すべきなのです。
後ろから近づくとより速くなるの勘違いを指摘しておきます。
地球から打ち上げた探査機が、太陽視点で20km/sに加速したとします(この時点で木星は何の関連もなし)。
木星視点で20km/sで探査機が接近するためには(重力による軌道変化で方向性による違いを考えるなら、同じ接近速度にそろえなければならない)
木星に近づくときに
1:真後ろから
20+v km/sまで加速しないと木星視点から20km/sになりません。
2:真横から
そのままで木星視点の20km/sとなります
3:正面から
そのままだと20+v km/sになってしまうので、20-v km/sに減速する必要があります(つまり、地球からの加速が少なくてすみます)
このことを失念されているので、横より真後ろから近づいた方がスイングバイで加速する、というおかしな結論になってしまうのです。
あなたの主張している内容自体は、何も間違っていませんよ。
しかし、「管理人さんはこう主張している」という点は、すべて誤読です。私の書いてないことを「書いている」と想定した上で、架空の対象に対して、攻撃している。それを「藁人形論法」と言います。
つまり、あなたの主張していることは何一つ間違っていないが、あなたが攻撃している対象は現実には存在していない。あなたが「間違っている」と見なしている見解は、ただの藁人形です。
つまり、あなたが長々と書いたコメントは、すべてゴミに過ぎません。
私は別に、あなたの見解には反対しませんが、私が言ってもいないことを勝手に私の見解だと見なすのはやめてくださいね。それだけ。
あと、コメント欄をゴミだらけにするのは、やめてね。
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念のため、根本的な誤読の点を示しておくと、こうです。
私が言っているのは、「こういうふうに説明すると(数式抜きで)わかりやすい」ということです。説明のわかりやすさだけがポイント。物理量の問題については、すでに古典力学で判明しているので、私が口出しすることは何もありません。
本項は新たに物理学的な学説を出しているわけじゃない。
> 横より真後ろから近づいた方がスイングバイで加速する
これもそう。私はそんなことは主張していません。「横からの図ではうまく説明できない」というふうに、説明の仕方の話をしているだけ。
本項の話題はすべて「説明の仕方」がテーマです。なのにあなたは、「科学的事実の問題だ」と勘違いしている。
はっきり言っておきますが、本項のテーマは、物理学ではありません。お間違えなく。
( ※ では何か? まだわからないのなら教えて上げるけど、それは「教育」「わかりやすさ」です。どちらかと言うと「教育学」の問題。わかりましたか?)
とにかく、本項では、物理学的な事実については、何一つ話題にしていません。あなたは根本的に日本語理解力が欠けている。
だから、たとえば惑星は探査機の前方にあるなんて、全くスイングバイに関係ないことをさも重要そうに述べたりされてたんですね。
(2) そして、かなり近づいたとき、惑星は探査機の前方にある。(これが重要!)
その論点だったとは気づきませんでした。ゴミを目指されてるのに、正しくあれと見当違いのことをいってすみませんでした。