朴政権の「影の実力者」めぐる内部文書、外部に流出

「大統領府の秘書官ら10人と定期的に密会」などの内容
大統領府「法的手段に訴える」

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の国会議員時代の秘書室長だったチョン・ユンフェ氏(59)が、大統領府の主要な秘書官たちと定期的に面会し、国政に介入していたという内容の大統領府の文書が28日報道され、物議を醸している。

 世界日報が報じた問題の文書は、今年2月まで大統領府民生担当首席秘書官室傘下の公職機構担当秘書官室で勤務し、その後警察に復帰した警正(日本の警視正に相当)が1月に作成し、チョ・ウンチョン公職機構担当秘書官(当時)に報告したものだ。この文書によると、チョン・ユンフェ氏は昨年10月から毎月2回、大統領府の李在万(イ・ジェマン)総務担当秘書官(48)、チョン・ホソン第1付属室担当秘書官(45)、アン・ボングン第2付属室担当秘書官(49)など、朴大統領の身辺で補佐してきた関係者10人と、ソウル市江南地区の中国料理店や日本料理店で会い、国政に関する懸案や大統領府内部の状況について「報告」を受けていたという。同文書はこの会合を「十常侍の会」と呼び、チョン・ユンフェ氏が昨年の忘年会の席上、金淇春(キム・ギチュン)秘書室長の辞任に向けたムードをつくるべく「情報漏えい」を指示していたという内容も含まれている。

 これに対し大統領府は「報じられている文書は監察報告書ではなく、いわゆる『証券街のチラシ(デマ)』に出ている内容をまとめた『動向報告』レベルの文書にすぎない」と反論した。閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官は「当時、似たような内容が金淇春秘書室長にも口頭で報告され、確認したところ、根拠のない内容だと判断し、特別な措置は講じなかった。今後法的手段に訴える方針だ」と説明した。李在万、チョン・ホソン、アン・ボングンの3秘書官を含む大統領府の秘書官・行政官8人はこの日、世界日報のチョ・ハンギュ社長ら6人を、出版物による名誉毀損(きそん)容疑で告訴した。また、文書流出の経緯についての捜査も依頼した。

 大統領府はこれまで、チョン・ユンフェ氏が現政権の「影の実力者」という疑惑を否定してきた。この問題は今後、検察の捜査に委ねられることになる。

崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者
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