民主・大塚氏:今の為替水準は安過ぎる−95円−105円が適正
Bloomberg 11月27日(木)9時32分配信
11月27日(ブルームバーグ):民主党の大塚耕平政調会長代理は日銀の追加緩和の実施に伴う円安水準について「明らかに安過ぎる」との認識を示した上で、「購買力平価でいうと100円を挟んで95円から105円が適正水準」との見解を示した。
大塚氏は26日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、日銀の量的・質的緩和政策を否定し、円安によるコスト増や実質賃金の低下につながらないよう国民生活に配慮した金融政策の必要性を求めた。
大塚氏は、民主党政権時の「150兆円を下回る程度のマネタリーベースの水準を2−3年間維持し、その間に産業政策や雇用政策を打てば、為替は緩やかに100円前後に戻り、株も徐々に1万5000円程度に戻っただろう」と述べ、1年半で100兆円も増やした日銀の金融政策に否定的な考えを示した。ドル・円相場は足元1ドル=117円台後半で推移している。
民主党は来月の衆院選に向けて発表した選挙公約で、過度な円安への対応として「補助金交付を通じたガソリン・軽油・灯油などの価格高騰対策など円安によるコスト増大に苦しむ生活者、中小企業、農林水産業者の支援」を明記。日銀に対しても「過度な異次元緩和よりも、経済、財政状況、市場環境を踏まえた金融政策」を求めている。
疑いようもない財政ファイナンス
大塚氏は民主党が目指す金融政策について、物価上昇が所得の増加を上回らない、過度の円安を招かない、財政ファイナンスにつながらない−とした3点を説明。その上で、黒田東彦日銀総裁による金融政策について「事実として財政ファイナンスに入っていることは疑いようもない。是正されるべきだ。財政健全化を求めつつ、財政ファイナンスを手助けするというパラドックスに陥っている」と指摘した。
安倍晋三政権は量的緩和による円安・株高によるデフレ脱却を目論む。黒田総裁は昨年4月の政策決定会合で、「2年程度」の期間を念頭にできるだけ早期に2%の物価安定目標を目指し、マネタリーベースと長期国債の残高を2年で2倍に増やす方針を決めた。先月31日には市場予想に反して緩和規模を大幅に拡大した。足元のマネタリーベースは256兆円(10月現在)に膨らんでいる。
最終更新:11月27日(木)9時32分
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