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 清貧を信条とするローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が、トルコ訪問初日の28日、「豪華すぎる」と批判される大統領公邸で、外国要人として初めて歓迎を受けた。地元メディアは、庶民派の法王とエルドアン・トルコ大統領の振る舞いの違いに着目して報じている。

 トルコの首都アンカラ郊外に新築された大統領公邸は「白い宮殿」と呼ばれ、1千室を持つ。建設費13億7千万トルコリラ(約700億円)で、敷地は20万平方メートル。首相から大統領に転じたエルドアン氏の「独裁色の反映」との指摘もある。トルコ紙ヒュリエットは、フランシスコ法王が法王宮殿には住まず、質素な暮らしぶりだと紹介。対照的な「住まい」だと伝えた。

 また、法王は騎兵隊などを仕立てた歓迎式典で迎えられた。バチカンのロンバルディ報道官は、「法王はあまり好まないが、重要行事の行い方は国ごとにあるでしょうから」と述べた。

 イタリア紙レプブリカは28日、「宗教間の対話」を掲げた今回の訪問は直前まで中止が危ぶまれていた、と報じた。エルドアン氏が許可をなかなか出さなかったことや、法王のスピーチ内容をトルコ側が事前にチェックさせるよう求め、バチカンが拒んだことなどが原因だとしている。(アンカラ=石田博士)