MIZUNOこだわりの逸品 > スイム > カッターシリーズ
オリンピックシーズンに向けて、ミズノのテクノロジーを結集させた水泳のアイテムが登場。水の抵抗と極限まで戦い、速さの追求に特化したキャップ&ゴーグルのシリーズです。
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――― より速さを求めるキャップとゴーグルのシリーズだそうですが。 水泳において速さを追い求める中で、最も重要なことは「いかに水の抵抗を減らすか」です。ミズノも注目している「フラットスイム理論」も、水面に対してフラットな姿勢を取ることで水の抵抗が最も少ない、効率の良い泳ぎ方が出来るというもので、スイムウエアはその理論を元に、水の抵抗を抑えるための機能性に力を入れています。
そこで開発したのが、このCUTTER シリーズです。その名の通り水を切り裂くかのように、キャップとゴーグル、それぞれに極限まで水の抵抗を抑えられるような機能性を採用しています。 |
ウエルネス・アスレティック事業部 吉井宏見 |
――― まずはキャップの「ACCEL HEAD CUTTER」について教えて下さい。
水泳で身につけるキャップ、ゴーグル、水着の3つのうち、泳ぐときに体の一番先頭に身につけるものがキャップです。そのため、このキャップの形状が水の抵抗に大きく関わります。特にキャップにシワができると抵抗の原因になってしまうため、ピッタリと頭に添う形が求められました。
そこで従来は円形で作っていた頭頂部に立体設計を施し、人間の頭に近い楕円形を作りました。かぶると頭のラインにぴったりとフィットし、シワはほとんど全く出来ません。
さらに、もう一つ抵抗を生み出すものに着目しました。それは“耳”です。そこで、かぶると強制的に耳まで被ってしまうような形に立体裁断し、極力凹凸を減らせるようにしました。実際にキャップの縁のラインを見ると、頭側部の耳の部分から形状が変化しているのが分かると思います。
そのような立体的なな形になっているため、縁がぺらぺらとめくれてしまわないよう、頭頂部と耳周辺、前後頭部の生地の厚みを変えています。縁と耳の部分を厚めにとり、ホールド力を高めてずり上がりを防ぐ設計にしています。
このように頭の形に近づけ、凹凸をなくした構造にすることで、従来品より10%の抵抗を削減することに成功しました。(※株式会社西日本流体技研調べ)
あまりにも繊細な形状であるため、成形ができあがるまではかなり時間がかかりました。試作をしては選手によるテストの繰り返しの末、行き着いた形です。
――― ゴーグルの「ACCEL EYE CUTTER S」は、前モデルから更に進化したそうですね。
「低抵抗」をコンセプトに開発されたのが、「ACCEL EYE CUTTER」です。水の抵抗を減らしつつも視野やフィット感を確保するために、船の舳先にヒントを得て、水を切り裂き後方へ水をスムーズに流すアイカップの形状になっています。アイカップ上部の端が鋭利な角度になっており、ここが水の流れを生み出すのです。この構造改革により、当社のノンクッションタイプのゴーグルと比較して抵抗値が約61%も軽減し、ミズノ史上で最も抵抗値が低いゴーグルが完成しました。
今回の「ACCEL EYE CUTTER S」は、これからさらに「低抵抗」への機能を追加しています。
ゴーグルのベルトはキャップの中に入れ込みますが、こめかみ部分のゴムはキャップに入らず、飛び込みや泳ぐときにバタつき、抵抗を生んでいました。
そこで、この部分に、薄くて柔軟性のある樹脂パーツ「スタビライザー」を施しました。顔にフィットしてバタつかないのはもちろん、フレキシブルに曲がる素材なので、着脱やゴーグルの上げ下げの動きもしやすくなっています。
このパーツを採用することで、前モデルの「ACCEL EYE CUTTER」から、さらに約3%の抵抗値削減が実現しました。(※株式会社西日本流体技研調べ)
実際に試用した選手にも、飛び込んだ瞬間のバタツキや抵抗のなさを強く実感できたと好評でした。ちなみにパーツは透明なので、一見するとアイカップだけが顔に付いているかのような面白さもあります。まさに機能面を極限まで追い求めた、機能美の象徴ともいえるデザインです。
――― この小さなアイテムにも驚くほどのテクノロジーが詰め込まれているのですね。
小物だといってキャップやゴーグルの水抵抗を侮ってはいけません。競技志向の高い選手に1秒、0.1秒を争うシビアな世界で戦うためのアイテムとして、ぜひこのCUTTERシリーズで勝負に勝ち、自己ベストを更新して欲しいですね。
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