ここから本文です

「ひよこ鑑定士」は本当に高給?

web R25 11月29日(土)7時0分配信

写真を拡大 写真を拡大

「ひよこ鑑定士」は本当に高給?

写真を縮小 写真を縮小

「ひよこ鑑定士」は本当に高給?
技術を高めることで仕事を増やすこともでき、収入を上げられるという初生雛鑑別師「求められるものは、集中力・器用さ・丈夫な体です」(大澤さん)

高いお金を払ってスクールに通って頑張って資格を取っても「稼ぎ」に直結することは少ない。しかし、昔から都市伝説のようによく聞くのが「ひよこ鑑定士はかなり稼げるらしい」という噂。ひよこのオス・メスを見極めるのは難易度の高い技術だけに、資格を習得できればかなりの高給を期待できるという。

そこで実態を調べてみたところ、残念ながらこの噂はだいぶ誇張されたものであることが判明。正式には「初生雛鑑別師」というこの仕事、平均年収は500万〜600万円程度で、悪くはないが「高給とり」とは言いがたい。

ともあれ、資格はどうしたら取得できるのだろう? 初生雛鑑別師としてヨーロッパで12年働いた経験のある畜産技術協会・初生雛鑑別部の大澤麻季子さんに教えてもらった。

「まずは試験を受け、鑑別師養成所に入る必要があります。その後、5カ月ほどの講習を受け、予備試験・高等考査に合格することで認定されます」

高等考査では36分以内に400羽のひよこを分けるそう。スピードと正確さが求められるというわけだ。

「高等考査は、講習を受けてから3年間技術取得に励めば多くの人は合格できます。厳しいのは資格を取ってから。現場に出て5〜6年は技術を高める時期といえますが、基本的には1日7〜8時間労働で7000〜10000羽を分けます。ここで集中力が続かなかったり、技術が伸び悩んだりなどの理由で挫折する人が多いのが実情です」

確かに並大抵ではない集中力が必要そうだが、それならもう少し収入が高いと頑張れそうな気も…。

「確かに、以前と比べると稼げなくなっていて、初任給だと手取り20万円程度です。ただ、収入もピンキリで、かなり幅があります。平均よりずっと多く稼ぐ方もいます。鑑別の腕がよく、場所を選ばなければ、仕事は常にありますし、鑑別師の高齢化が進んでいるため若手が求められていることも確かです。また、鑑別師は自営業なので、シーズンや作業スピードによって休日や勤務時間を調整できるのも魅力ですね」

収入が安定していて、働き方の自由度が高いなんて、いいこと尽くめじゃないか!

「もう1ついいことがあるんです。それは、海外に行けること。初生雛鑑別師はヨーロッパで需要の高い仕事なので、一般的に若手はまず海外に行きます。労働ビザで滞在できるうえに、シーズンによっては長期休暇を取れるので、現地の観光に時間を割くこともできるんです。実は、私ももともとは『海外で語学を勉強したい』という夢のために、鑑別師を目指したんです。海外で働くという貴重な体験に興味があると、モチベーションも上がると思います」

そんなメリットもあるとは! …しかし、養成所に入所できるのは25歳まで。この記事を読んでいる25歳以下の若者たち! 仕事と夢を手に入れるチャンスかもしれないぞ!
(有竹亮介/verb)
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、web R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

最終更新:11月29日(土)7時0分

web R25

 

記事提供社からのご案内(外部サイト)

PR