アニメ質問状:「SHIROBAKO」 実際の水島監督は「木下監督」の5倍多忙
2014年11月29日
話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。アニメーション制作に従事する人々の奮闘を描いたオリジナルアニメ「SHIROBAKO」です。P.A.WORKSの堀川憲司社長に作品の魅力を語ってもらいました。
−−作品の概要と魅力は?
高校のアニメ同好会のメンバーだった5人が、卒業後にいつか5人でまたアニメーションを作ることを夢みて頑張るお話です。創作を仕事にする人々の葛藤や喜びに加え、テレビシリーズの納品に追われるトラブルにまみれた日常を描いています。仕事場の先輩や後輩との関係、いろんなセクションとのつながり、さらには彼女たちが身を置くアニメーション業界の現状など、さまざまな仕事に置き換えられる普遍的な問題の中で、情熱を持った大勢の人々の青春群像劇を描いています。
−−アニメの制作現場をテーマにしたのはなぜ?
一つは、制作現場で働く人々の創作に対する情熱に引かれるからです。もう一つは、物語で語られることの一つ一つが、僕らの長年の制作経験から生まれたテーマやセリフなので、リアリティーを持ったものにできるということ。そしてもう一つは、アニメーションの制作現場を取り巻く環境が、市場も技術も労働力も大きく変わりつつある今、その中でこれからもアニメーションを作り続けるために僕らは何を大切にしなければならないかを考えるきっかけにしたかったからですね。
−−ズバリ、描かれるトラブルの数々は、本当に起こったことなのでしょうか。
“事件”はそのまま使用せず、アレンジを加えたりドラマチックな表現にしたりしています。
−−業界の反応は?
「ザワザワしている」とは聞こえてきますが、直接意見が寄せられているわけではないのでどうでしょうか。当然テーマに対して、僕らとは違う考えもあるとは思いますが、監督と話して僕らの考えをあまり曖昧(あいまい)にしないようにはしました。「あれは違う」「俺はこう思う」といった意見で、業界内でもテーマが話題にされるのならうれしいことです。
−−作中のアニメは、何かの形で描かれたりするのでしょうか?
劇中劇「【えくそだすっ!】」の1話は、実際に制作してパッケージの第3巻に収録される予定です。
−−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?