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陛下、新嘗祭ご負担軽減 「暁の儀」お出ましせず
宮内庁は21日、天皇陛下がその年の収穫を神々に感謝する毎年11月23日の宮中祭祀(さいし)「新嘗祭(にいなめさい)」で、気温が低下する深夜に始まる「暁(あかつき)の儀」への陛下のお出ましを今年から取りやめられると発表した。
昨年で80歳になられた年齢に応じたご負担軽減の一環といい、宮内庁幹部は「大事な儀式だが、陛下のご健康には代えられない」としている。昭和天皇は69歳の年から暁の儀へのお出ましを取りやめていた。
新嘗祭は23日夜から24日未明に皇居・神嘉殿(しんかでん)にその年に収穫された穀物を供える儀式で、宮中祭祀でも最重要とされる。午後6時からの「夕(よい)の儀」と同11時からの暁の儀が、同様の次第で2時間ずつ行われる。
宮内庁は、陛下が75歳の平成21年から暁の儀のお出ましを最後の30分間に、77歳の23年からは夕の儀でも同様に短縮することを決めていた。23年は、気管支炎などでのご入院で実際にはお出ましになれなかった。
皇室の祭祀をつかさどる掌典職(しょうてんしょく)によると、陛下が暁の儀でされていた拝礼などの一部の所作は掌典長が代行する。皇太子さまは例年通り拝礼され、皇族方も参列される。ただ、神前での御告文(おつげぶみ)奏上、新穀を神々と食べられる直会(なおらい)は、陛下しか行えないという。