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 安倍晋三首相が28日、大分市で街頭演説した。衆院解散後、初の九州入り。衆院選の公示(12月2日)を目前に控え、約13分間の演説のほとんどを政権の経済政策アベノミクス継続への訴えに費やした。

 首相は演説で、有効求人倍率や大学生らの就職内定率が改善したとして「(アベノミクスの)成果がだんだん出始めています」と胸を張った。一方で、円安による原材料費高騰で苦しむ中小企業が少なくないことを認め、対策を講じると約束。その上で、民主党政権下では経済が停滞していたと指摘し、「景気循環の流れを変えてはいけない」と力を込めた。

 演説を聞いた大分市内で文具店を営む岩尾恵子さん(65)は「景気が戻った実感はまったくないが、もう少し信じてみようか」。4月の消費増税などで今年の売り上げは昨年から約1割減った。それでも、首相の言う経済の好循環による客足の回復を期待した。