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人に幸福を与えることで、人は幸福になる。『ともにしあわせになるしあわせ』
- 2014/11/28
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- Haruka Sato
あなたは、フェリシモという企業をご存知でしょうか? フェリシモは、衣料品や生活雑貨の企画と通信販売事業を行っている企業です。
この企業の「コレクションシステム」という定期購入制度は高い支持を得ており、毎年140万世帯の人が利用しています。
フェリシモが掲げている企業理念は、「ともにしあわせになるしあわせ」という言葉。どうやらこの理念が、顧客に支持され続ける要因となっているようです。
今回は、フェリシモの代表取締役社長である矢崎和彦氏の著書『ともにしあわせになるしあわせ――フェリシモで生まれた暮らしと世の中を変える仕事』から、支持される企業の仕組みを見ていきます。
ともにしあわせになるしあわせ
今でこそ社会起業やソーシャルデザインなどが話題になっていますが、フェリシモは30年近く前からそのような事業活動に取り組んでいました。その源になっているのが、「ともにしあわせになるしあわせ」という理念です。
売り手は単なる売り手であるべきではないし、買い手は単なる買い手ではないのではないか
しあわせを感じる最大の方法は、自分が幸せの創り手や贈り手になることではないか。この考えの下で、フェリシモは、お客様にも幸せを創造する主体者になってほしいと提案しています。
自分が商品を購入することで、その代金の一部がある地域の社会インフラの改善に役立つ。このように、買い手が商品という幸せを得ながら人の幸せにも貢献できる仕組みを作ることで幸せの連鎖を生むことができます。
これによって、買い手は幸せの贈り主となり、感じる幸せも大きくなります。このことが、フェリシモで買い物をする魅力のひとつとなっているようです。
事業性×独創性×社会性という考え方
「ともにしあわせになるしあわせ」と共にフェリシモが事業の基本として考えているのは、事業性・独創性・社会性の融合です。
顧客の幸せや社会貢献を念頭に置いたために、この考えは生まれました。
社会性はそれ単体で実現させることはできません。利益という事業性があってこそ、社会性は実現できるのです。そして事業性から利益を生むには、独創性が必要になる。この3つは、切っても切れない関係にあるということです
フェリシモでは現在、実際にこの3つを追求した数十ものプログラムが進行中です。社会性のみに偏ることなく、それを支える仕組みにまで考えが行き届いていなければ、企業として発展し続ける事は難しかったでしょう。
どの企業の製品も優れた物となり、それ自体の優劣の差は小さくなっている今日。だからこそ、企業がいかに社会に貢献しているかなどの付加価値を選択基準とする人も増えているのではないでしょうか。
長期間顧客に応援され、選ばれる企業の一員として働くために、フェリシモの社会との向き合い方を参考にしてみてはいかがでしょうか?
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文化を作り出す商品を目指す。TOTOの『世界一のトイレ ウォシュレット開発物語』に学ぶものづくり
- 2014/11/28
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- Haruka Sato
そのひとつがTOTOというメーカーです。TOTOの製品の「ウォシュレット」という名前は、ほとんどの方が耳にした事があるのではないでしょうか。
今回は、高いシェアを誇るTOTOのものづくりはどのように行われているのか、『世界一のトイレ ウォシュレット開発物語』という本から紐解いていきたいと思います。
なぜウォシュレット開発を始めたのか
そもそもウォシュレットは、痔の患者などのためにアメリカのベンチャーで開発された医療用の洗浄器でした。TOTOはこれを輸入販売していましたが、その製品には水の温度や発射の方向が定まらないなどの欠点があったそう。
TOTOは、日本人の「毎日お風呂に入る」「新しい物への抵抗が少ない」という性質から、おしりを洗う文化が受け入れられるのではないかと判断し、より良いものを提供するために開発を始めました。
TOTOのものづくり哲学
TOTOは、ウォシュレットの他にも本格的ユニットバスやシャンプードレッサーなどを生み出してきました。これらは決して生活に不可欠なものではありません。それでもこのような商品を作り上げてきたのは、「文化を作り出す」ことを目指しているからです。
単に「困った」ことを解消するだけならば、その商品は解決のための手段にしかなりません。その商品に本来どのような目的とビジョンがあり、それを表現するためにどのような技術が必要かを考え実践して、初めて新たな文化を作る事ができます。
確かに、TOTOの商品は今や私たちの生活に溶け込み、ライフスタイルに大きな影響を与えていますよね。
TOTOでは、部門の垣根を取り払って全員でアイデアを出したり、デザインを考えてから機能を入れ込む逆転の発想をしてみたりしながら開発を進めていました。このような柔軟な姿勢も、成功のカギとなっていそうです。
ここでは、TOTOウォシュレットテクノの代表である林良祐氏の著書『世界一のトイレ ウォシュレット開発物語』から、人々に支持されるものづくりについて見ていきました。
問題の解消だけでなく、新たに文化となるようなものを作り出す。本書から、製品づくりのアイデアを得てみてはいかがでしょうか?
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技術と心を鍛える8年間。『一流を育てる 秋山木工の「職人心得」』
- 2014/11/28
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- Haruka Sato
皆さんは、「職人」という言葉にどんなイメージを持っていますか? 技術の優れている人、頑固だけど一本筋が通っている人……その力強さに憧れる方も多いのではないでしょうか。
迎賓館や国会議事堂、宮内庁などで使われる特注家具を作っている、秋山木工という職人の集う企業があります。その代表取締役、秋山利輝氏によれば、人柄が一流でなければ、一流の職人にはなれないということです。
秋山木工は、その家具造りだけでなく、独自の職人育成制度も国内外で注目されている企業です。今回は、秋山氏の著書『一流を育てる 秋山木工の「職人心得」』から、数々の職人を生み出した教育制度を探っていきます。
職人心得三十箇条
秋山木工の人材育成の基本となっているのは、「職人心得三十箇条」です。これを毎日唱和して心に落とし込むことで、自然と行動に表れ出てくるそう。
一流の家具職人を目指す新入社員は、この心得を徹底的に学びながら、8年間におよぶ人材育成期間を通して独立できるだけの力を身につけていきます。
ここで、その内容をいくつかご紹介します。
挨拶のできた人から現場に行かせてもらえます
人の第一印象は、会った瞬間の挨拶で決まると秋山氏はいいます。そのため、相手も自然と笑顔で挨拶を返してくれるような、大きく、元気で明るい挨拶が職人の第一歩だということ。
家具職人の仕事は、ものづくりでお客様に感動してもらうことです。人前で気持ちのよい挨拶ができる、ということもその一部。きちんと挨拶ができないということは、道具を持たずに仕事に行くのも同然です。
人の言う事を正確に聞ける人から現場に行かせてもらえます
お客様の望んでいる以上の物を提供するのが、一流の職人の務めというもの。そのためには、相手が望んでいる物は何なのか、正確に話を聞き、読み取らなくてはなりません。
普段から相手を喜ばせようと意識する事で、人の話を真剣に聞くクセがついてきます。その積み重ねによって人を理解する能力が高まると、相手に「この人ならわかってくれる」という安心感を与えることにも繋がります。
感謝のできる人から現場に行かせてもらえます
仕事は自分1人で行っているわけではありません。道具は木の命をもらって作った物ですし、周囲の人の応援が自分の支えとなっているはず。
感謝の気持ちを持つことは、職人としての基本です。そして、感謝の言葉は口に出して初めて相手に伝わります。その言葉は温かな気持ちを生み出し、自身の人間性も高まります。全てに感謝できる人は、たくさん学び、成長できる人です。
今回は、『一流を育てる 秋山木工の「職人心得」』という本から、一流の人格を育てるための心構えについて見ていきました。
どれも決して特別な内容ではありません。しかし、礼儀や感謝、気配りなどの基本的なことをしっかり実践することで、心は確実に育っていきます。
「できて当然」と思うようなことでも、自分がどれくらい実行できているか、一度振り返ってみてはいかがでしょうか?
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