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2014-11-29

松本健一氏逝去、で思いだしたこと

| 松本健一氏逝去、で思いだしたことを含むブックマーク 松本健一氏逝去、で思いだしたことのブックマークコメント

訃報に際し、お悔やみをもうしあげます。

こういうまとめを、twitterから抽出させて頂きました。

松本健一逝去〜その反響 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/751252

ここにも収録しているからちょっと重複になりますが、氏の逝去について思ったこと、著書の思い出話をtwitterから転載します。

gryphonjapan @gryphonjapan 2014-11-29 08:41:36

松本健一氏の訃報に接し、過去の著作紹介文章を。当時はラノベについてよく分かっちゃいなかったけど、多少学んだ今は「河井継之助小林虎三郎SFラノベに変換可能」論はやはり正しいと思う(笑)

米百俵」のモデル小林虎三郎河井継之助戊辰戦争140年(完全版・1エントリにまとめました) -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080409/p4

松本健一氏が小林虎三郎伝を書いたときにタイトル引用した、虎三郎の漢詩

われに万古の心あり―幕末藩士 小林虎三郎

われに万古の心あり―幕末藩士 小林虎三郎

天に万古の月あり

我に万古の心あり

清夜高楼の上

欄によっていささか襟を開く

天上万古の月

我が万古の心を照らす


自分松本健一、若い頃に集中乱読したため個々の書籍イメージが溶け込んでいるな(笑)大学に彼の本が相当マイナーなものまで含めてあった。やはり昭和初期の超国家主義者を「反体制」「革命」的な視点を加味して読み替えたのが秀逸であった。といっても実証性や客観性というより圧倒的に「ロマンチックさ」を優先させていたっぽい、というのは素人の読者からでも感じられた(笑)

だから彼の作品ジャーナリズムアカデミズムに負けないほどサブカルフィクション方面に影響を与えたんじゃないかなあ。北一輝なんて、司馬遼太郎新撰組同様、史実以上に「松本健一が読み替えた北一輝像」から派生したイメージのほうが人口膾炙しているっぽいよね(笑)村上もとか「龍」とか。それでいい…というのはちょっと生々しい対称だけど、いい悪いというよりもはや「どうしようもない」(笑)という感じだ。

間もなく、文庫?が出る予定だったんだね

評伝 北一輝 - V 北一輝伝説

評伝 北一輝 - V 北一輝伝説


大川周明は北と対比されつつマイナーだが「大川周明ー100年の日本アジア」はそのぶん冷静で読み応えがありすごく面白かった記憶がある。「パトリオットナショナリスト」を使い分け対比させるのは彼オリジナルでないかもしれんけど、自分は氏のこの本で知ったかな?

大川周明 (岩波現代文庫)

大川周明 (岩波現代文庫)

頭山満の評伝「雲に立つ」も面白かったな。豪快な人格的魅力で思想的矛盾を覆い隠してしまう、というのは、論理としてははっきり弱点だが、面白いのはまちがいないもんな。

雲に立つ―頭山満の「場所」

雲に立つ―頭山満の「場所」

現在小林よしのり氏が連載中の「ゴー宣東亜論」もかなり元ネタにしてるっぽい。(続く)

頭山満玄洋社の中で孤立した時を踏まえた教え

「一人でいても寂しくない男になれ」

というのはその小林よしのり漫画でもピックアップされている。

その小林氏がかつて関わった「つくる会」に誘われた松本氏は、この言葉を引いて合流を断ったのだった。


司馬遼太郎と親交があって「白旗伝説」(この本の議論信憑性はどこまでだろう…)

白旗伝説 (講談社学術文庫 (1328))

白旗伝説 (講談社学術文庫 (1328))

などにもアドバイスをもらったり、追悼の評論本を書いたり司馬遼太郎賞を受賞した人だが、「司馬さんが取り上げない人物をなぜか自然と書いている」と言ってた。小林虎三郎もこの典型なんだよな。「峠」への対比。

gryphonjapan @gryphonjapan 2014-11-29 09:25:17

最後に。d.hatena.ne.jp/gryphon/200903…で紹介した「アメリカ合衆国皇帝ジョシュアノートン」なる人物を知ったのも松本健一氏の著作(「昭和最後の日々」)。ちょっとした短文コラムでの紹介で偶然みたいなものだが、それだけでも恩がある。安らかなれ。

昭和最後の日々

昭和最後の日々

アメリカ合衆国皇帝およびメキシコ護国卿」ジョシュアノートン一世陛下が突発的に話題になって非常に嬉しい -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090309/p3


23日の浅羽通明講演会で「追悼・松本健一」というテーマをやってくれるようリクエストしました。

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・日時:12月23日(火・祝) 14時開場・14時半開始・17時45分終了

・場所:KKベストセラーズ本社ビル2階第一会議

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1.ご質問を募集します

2.ご質問を受け、中心テーマを決定します

3.正式にご案内し、お申込みの受付を開始します

昨日の夜、こういうメールを出しました。

【質問(要望)】

まことに残念ながら、本日松本健一氏の訃報に接することになりました。まだ68歳。

浅羽さんの「ニセ学生マニュアル」にも、またほかの著作にもいろいろ言及があった方です。

「追悼 松本健一 〜氏の業績、思想を浅羽流に振り返る」をリクエストいたします。

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