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 全国に280超の医療施設を持ち、地域医療を支えている国内最大級の医療法人「徳洲会」グループが、選挙違反事件からの立ち直りに苦しんでいる。1年前に東京地検特捜部の強制捜査を受けて以降、グループの利益は下降線をたどったまま。執行部内でも内紛が続いている。

 「グループの経営は悪化から抜け出せない」。幹部が示した内部資料によると、徳洲会グループの利益は特捜部が全国の施設に家宅捜索に入った昨年9月以降、低迷が続いている。ここ数年、右肩上がりで増益だったのとは対照的だ。今年7月までの1年間の利益(税引き前)は約299億円。前年同期比で100億円(約25%)も減った。

 背景には、深刻な患者数の減少がある。内部資料で入院患者の推移をみると、やはり昨年9月をピークに一転して減り続けている。「事件の影響で新たな患者さんが来なくなったのだろう」と幹部の一人は嘆く。