[PR]

 2007年から08年、千葉、兵庫両県で中国製冷凍ギョーザを食べた計10人が中毒症状を訴えた事件で、中国河北省石家荘市中級人民法院(地裁に相当)は20日、ギョーザに毒物を投入したとして危険物質投与罪に問われた製造元の元臨時工員、呂月庭被告(39)に無期懲役の実刑判決を言い渡した。

 判決は毒物の投入で日中両国で重症1人を含む計14人に健康被害が出たと認定し、「犯行は計画的。不特定多数の人々に健康被害を与えた極めて悪質な行為だ」とした。さらに事件で製造元の「天洋食品」(石家荘市)に約550万元(約9400万円)の経済的損害を与えたとし、呂被告の政治的権利も生涯にわたり剝奪(はくだつ)するとした。情状酌量を求めた弁護側の主張は退けられた。

 中国の刑法で危険物質投与罪の最高刑は死刑。死者が出なかった今回の例で無期懲役は重い判決との受け止めもある。裁判所は被害者の多さや、日中の外交問題に発展した影響の大きさも考慮したとみられる。