たった1人で10万ダウンロードを突破したスマートフォン(スマホ)ゲームを作り上げた人物がいる。台湾出身のマ・ジェームスさん(37)だ。ゲーム好きが高じ、2012年から都内の自宅をオフィスにしてスマホゲームを作り始めた。プログラマーでもデザイナーでもないマさんが活用したのはクラウドソーシングなどのネットサービス。さまざまなジャンルで才能を持つ数十人の協力者と力を合わせ、一度も顔を合わせることもないまま今年5月のサービス開始にこぎつけた。
■仲間も資金もネットで募る
開発したスマホゲームは「新生ヒストリカ」。実在した歴史上の人物を仲間にして、パズルを解きながら敵と戦う。パズルは同じ色のブロックを3つ以上つなげて消していくもので、人気のLINEゲーム「ディズニーツムツム」とよく似ている。卑弥呼やエリザベス女王など世界史を彩る人物が登場する。10万ダウンロードを突破し、アップストアのカードゲーム部門で1位になったこともある。
「歴史をテーマにしたゲームシナリオを作りませんか」。マさんはクラウドソーシングサイトの「クラウドワークス」を利用する。最近も、歴史上の人物に割り当てるゲーム内のセリフやイベントストーリーを作成してくれるシナリオライターを募集した。
クラウドソーシングサービスは子育てなどで離職した女性のほか、場所や時間を選ばないで仕事をしたいフリーランスが集まる。クラウドワークス(東京・渋谷)とランサーズ(東京・渋谷)が大手だ。
「何度も応募してくれるお得意さんもいる」とマさん。ライターとはメールで密に連絡を取り合い、作業の進捗に応じて報酬を支払う。実際に会ったことはない。それでも何度も仕事を依頼し、情報共有するなかで、マさんはそれぞれの得意分野や仕事の癖を把握している。自宅マンションの一室でパソコン画面と向き合い、メールで次々に指示を出す。「自分はゲームの企画制作やプロジェクト管理に集中できる」とにっこり笑う。
スマホゲームの重要な要素がキャラクターデザイン。マさんの意図をくみ取り、新生ヒストリカの世界観に合致した歴史上の英雄を予算内で描いてくれる「都合の良い」デザイナーはどこにいたのか。重宝したのが「ピクシブ」だ。
ピクシブはイラストレーターが作品を投稿したり、お互いに評価し合ったりするサイト。プロ顔負けの作品を投稿するユーザーもいる。マさんはピクシブ上でゲームの趣旨を伝え、賛同してくれるイラストレーターを募った。細かな修正点はあるものの、ほとんどはマさんの思い描いた通りのキャラクターが出来上がってくるという。「イラスト制作会社に依頼した場合の半値以下で済む」と満足げ。これまでに描き上げた歴史上の人物は75人、イラスト数は260枚に達する。「最近のスマホゲームはキャラクターの妖艶さやかわいさを求めるものばかり」と嘆くが、個人だからこそ作りたいゲームが作れると実感している。
ディズニーツムツム、スマホゲーム、アップストア、ピクシブ
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