ユーザーが中心となって遊び方を解説しているオンライン上のウィキサイト(英語、日本語)を見て、初めてゲームの遊び方がわかる。アイテムは自分で作ることができ、切り倒した木材を、刀、斧、スコップ、ツルハシなどに加工することが可能だ。集めたアイテムで何をするのか。まずは夜、自分の身を守るために家を作り、明かりとなる松明を作り、安全な環境を整えることが必要だと気がつく。
「やめ時」が分からないのがこのゲームの深みの1つだ。できることはたくさんある。アイテムから多種多様なものが合成でき、例えば刀でも、一番簡単な木から、石、鉄、ダイヤモンドの順番に、手に入りにくいものほど強い攻撃力を持つ。入手しにくいアイテムは山や洞窟を掘り進んだりする中で見つけていかなければならない。
■絶妙に組み合わされたゲーム性とツール性
このゲームの世界はプログラムによって「自動生成」されている。新しいマップを始めるたびに、海や島がアルゴリズムに従って作られ、動物やモンスターも配置される。世界の端を目指していくと、さらに新しい世界が計算され付け加えられていく仕組みだ。それぞれのユーザーごとに同じ世界の姿は決して現れないし、世界に果てもなく、永遠に広がり続ける。
つまり、一度、ユーザーが「何かをしたい」という目標を持ってしまうと、それを実現するために延々と掘る作業を進めたくなってしまうのだ。探索を通じてアイテムを増やす喜びを得るゲーム的な要素と、自由に世界を作り上げるツール的な要素が、絶妙に組み合わさっている。
次はアイテムを組み合わせて「レゴブロック」のような巨大建造物を作りたくなる。ユーザーが作っているサイト「Minecraft Museum」には力作の画像が紹介されている。スフィンクスやタイタニック号、米国の議事堂……。動画サイトのユーチューブには日本人ユーザーが作成したと思われる「天空の城ラピュタ」もある。ツールに制限があるにもかかわらず、雰囲気がうまく再現されている。
■ユーザーが自由に改造することを推奨
もう一つの魅力はユーザーが自由にゲームをカスタマイズできる点にある。「MOD」と呼ばれる環境だ。MODとは「Modify(修正・改善するとの意味)」から派生した言葉。ゲーム会社が公開しているプログラムやデータを使い、ユーザーがゲームの開発に参加することを積極的に認めている。
例えば、自分が作った地図データをネット上に公開することで他のユーザーと共有でき、公式のフォーラムには多数のマップが公開されている。ゲームに別の特徴を与えるカスタムプログラムは150種類以上が公開されている。それらを組み合わせ、自分のパソコンをサーバーにして世界に公開して遊ぶこともできる。今日時点では、全世界で2000台以上のサーバーが稼働し、それぞれの「仮想世界」では最大20~30人程度が同時に遊ぶことができる。
ゲーム、ファミコン、Minecraft、任天堂、ユーチューブ
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