韓国:青瓦台が世界日報を刑事告訴 名誉毀損で
毎日新聞 2014年11月28日 19時18分
【ソウル澤田克己】韓国紙・世界日報(セゲイルボ)が28日、青瓦台(大統領府)の内部監察報告書を入手したと報道し、青瓦台側が名誉毀損(きそん)で刑事告訴する騒ぎとなった。報告書は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の元側近男性が政権人事に介入したという内容。政権内部の疑惑を指摘する報道に敏感に反応する朴政権の特徴を改めて示した。
元側近男性は、朴大統領への名誉毀損で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)が、問題とされたコラムで「密会説」の相手と名指しした人物。
報道によると、報告書は1月6日付。政界に流れていた大統領秘書室長辞任説の背景を探るため内部調査が行われた。その結果、男性が昨年末、青瓦台内にいる大統領側近らと会い、辞任説を広めるよう指示していたことが判明。男性らは昨年10月から毎月2回、同様の会合を重ねていたという。
青瓦台報道官は「記事に出てくるのは根拠のないうわさを集めた内容」と反論。青瓦台側は28日、世界日報の編集局長らを名誉毀損でソウル中央地検に告訴した。
青瓦台は今年、今回の件を含め、国内メディアを相手にした名誉毀損の損害賠償提訴や刑事告訴を少なくとも6件、行っている。