はやぶさ2:12月1日以降に打ち上げ延期…天候不順予想
毎日新聞 2014年11月28日 13時59分(最終更新 11月28日 19時33分)
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、天候不順のため、種子島宇宙センター(鹿児島県)から30日に予定していた小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げを延期すると発表した。29日午前に打ち上げ日程を再検討する。
発表によると、30日は終日、射場周辺の上空で氷の粒を含む厚い雲の発生が予想されている。はやぶさ2を搭載したH2Aロケットがこの中を通過すると、雷が発生し電子機器に異常が生じる可能性があるという。
同社は今回、12月9日まで打ち上げ機会を準備しており、新たな打ち上げ日時は2日間以上の余裕をもって公表する。はやぶさ2計画の総責任者、国中均・JAXA教授は延期決定後の記者会見で、「リハーサルを繰り返して気持ちを高めてきたが、天候が理由では仕方がない。はやぶさ2のミッションは6年に及ぶので、1、2日の遅れによる影響はない。さらに気持ちを引き締めて準備に臨みたい」と話した。
はやぶさ2は、世界で初めて小惑星の物質を持ち帰った探査機はやぶさの後継機。水や有機物があるとされる小惑星「1999JU3」から内部の物質を採取し、2020年末に地球に帰還する。生命誕生の解明につながる成果が期待されている。【大場あい、津島史人】