衆院選:IT企業に商機…Tシャツ、弁当など売り込み

毎日新聞 2014年11月28日 11時15分(最終更新 11月28日 15時49分)

宅配弁当のカタログの発送作業をするスターフェスティバルの社員ら=東京都港区で
宅配弁当のカタログの発送作業をするスターフェスティバルの社員ら=東京都港区で

 衆院選の実施が急きょ決まったことで、インターネットを通じてユニークなサービスを提供するIT企業にも思わぬビジネスチャンスが到来している。各社とも「かゆいところに手が届く」サービスやネットならではの「手軽さ」が持ち味。選挙を絶好の商機ととらえ、急ピッチで準備を進める候補予定者らを相手に売り込みを図っている。【和田浩幸】

 「Tシャツを永田町に届けてほしい」。衆院解散直前の今月18日、オリジナルのプリントTシャツを扱う「スパイスライフ」(東京都渋谷区)に衆院議員秘書とみられる人物から電話が入った。オリジナルTシャツは発送までに数週間程度かかることが多いが、同社の場合は利用者がホームページ(HP)上でデザインを決められるうえ、最短で翌日発送するスピード感が売りだ。

 その後も「必勝」や「明るい未来を」など選挙戦を意識したとみられるデザインの注文が数件寄せられた。同社の吉川保男社長(41)は「降って湧いた選挙で、眠っている需要に気が付いた。選挙グッズの特設ページを作りたい」と話す。

 名刺をスマートフォンなどで読み込んで電子データ化するアプリを提供する「Sansan(サンサン)」(渋谷区)は支援者リスト作りに一役買う。衆院解散前後から立候補予定者らとの取引が3件進んでいるという。

 公職選挙法の改正でネット選挙が解禁され、政党や候補者であれば名刺交換の相手に一斉メールで投票を呼び掛けられるようになったことも追い風になっている。広報部の磯山江梨さん(34)は「衆院選をチャンスと捉え、営業を強化したい」と語る。

 宅配弁当の総合サイト「ごちクル」を運営する「スターフェスティバル」(港区)は衆院解散後、首都圏の政党や後援会事務所、マスコミ各社など計約100カ所に宅配弁当のカタログを発送した。2年前に主に法人や団体向けにサービスを開始し、全国どこへでも弁当を届ける。現在は全国約600店舗と提携し、約7000種類の商品を扱う。広報担当の栗田朋一さん(43)は「うちはメニューが豊富なので飽きさせません」とアピールする。

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