【報知映画賞】宮沢りえ、7年ぶり主演作で栄冠「役者で良かった」
スポーツ報知 11月28日(金)7時4分配信
◆第39回報知映画賞 ▽主演女優賞・宮沢りえ「紙の月」
12年の報知映画賞で監督賞を受賞した吉田大八監督(51)の最新作「紙の月」に出演した女優の宮沢りえ(41)と大島優子(26)が主演と助演の女優賞をダブル受賞した。02年の「たそがれ清兵衛」(山田洋次監督)以来、12年ぶり2度目の栄冠となった宮沢は、7年ぶりの主演作品に「役者で良かったと、心から思える作品に出会えた」。一方の大島は、AKB48を卒業して本格的に女優への道を歩み始めた中での初受賞になった。
7年間“留守”にしていた映画の世界に戻ってきた作品での受賞。宮沢は「自分自身が頂いたという気持ちには、全くなれません。スタッフ、監督、相手役の方々がいたからこそのもの。特に今回は、吉田監督との出会いが大きかったので、私を通して監督に賞を贈るつもりです」と謙虚に喜びを語った。
近年は舞台を中心に活動していたが、その間、何度も主演映画のオファーは届いていた。「30歳で舞台に出演して自分に足りないものがあると感じた時、『40歳になった時に舞台に立っていられる女優にならないと』と思って映像の世界から離れていました。『そろそろ…』と考えていた時に、このお話をいただいて、心が揺さぶられたんです」と振り返った。
脚本を読んだ第一印象は「手ごわい本だな」。だが、それを上回ったのが「吉田監督と仕事をしてみたい」という気持ちだった。「同時に、『手ごわいからこそ、演じてみたい』という気持ちも沸々とわいてきました。以前は怖いものは避けていたんですが、今は挑戦したいと」。7年間に蓄えていた欲求と、それにふさわしい作品との出会いの瞬間だった。
演じた梨花は、銀行に契約社員として務める平凡な主婦。それが、ある大学生(池松壮亮)と出会ったのをきっかけに、本能の赴くままに生き始める。「梨花に血が流れ、熱を帯びていくのが、現場で手に取るように見えましたね」。それは、最初は探り合い、ぶつかり合っていた参加スタッフ、キャストが作品を愛し、一つのゴールに向かって進んでいる空気がもたらしたものだった。
同時に、自らが梨花として“生きる”ことができた幸せを感じた。「普段の生活でも、理性と本能がぶつかり合うことがあるし、道徳を壊したくなることもある。でも、バランスを取って生きているわけです。そんな張りつめているものを、芝居を通じて惜しみなく流し出すことができた。役者で良かったと、心から思いましたね」
女優という仕事の醍醐(だいご)味を感じさせてくれた作品との出会い、そして受賞。今後の人生の中で、大きなモチベーションとなったに違いない。(高柳 哲人)
◆宮沢 りえ(みやざわ・りえ)1973年4月6日、東京都生まれ。41歳。オランダ人の父と日本人の母を持つ。87年、CM「三井のリハウス」の初代リハウスガールで注目を集める。88年、「ぼくらの七日間戦争」で映画初主演。同年、歌手デビューも果たす。01年、中国映画「華の愛〜遊園驚夢〜」でモスクワ国際映画祭主演女優賞、02年には「たそがれ清兵衛」で第27回報知映画賞主演女優賞を受賞。今年4月、舞台「MIWA」の演技に対して、菊田一夫演劇賞を受賞。血液型B。
◆紙の月 銀行の契約社員として働く梨花(宮沢)は、丁寧な仕事ぶりで上司から高い評価を得ていた。ベテランの隅(小林聡美)、窓口係の相川(大島)らと働いていたが、顧客の老人の家を訪ねた際に顔を合わせた孫の大学生・光太(池松壮亮)と駅で再会。肉体関係を結んでしまう。ある日、買い物の際に現金が足りず、預かり金に手を付けてしまう梨花。その出来事を機に、横領に手を染め、その手口はより大胆になる一方、光太との関係に溺れていく。角田光代さんの小説を吉田大八監督が映画化。
最終更新:11月28日(金)11時36分
- 女優・芸能人・俳優・歌手・役者・声優・吹き替え・ナレーター・タレント・モデル・グラビア 宮沢りえ(ミヤザワリエ)
- 誕生日:1973年 04月06日
- 星座:おひつじ座
- 出身地:東京
- 血液型:B
- [ 出典:日本タレント名鑑(VIPタイムズ社)(外部リンク) ]
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