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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は28日、小惑星探査機「はやぶさ2」を載せて30日に予定していたH2Aロケット26号機の打ち上げを延期すると発表した。雷を誘発する氷結層がある雲に覆われると見込まれるため。2011年の20号機も同じ理由で延期されている。翌12月1日も雷や強風が予想され、打ち上げは厳しい状況という。はやぶさ2の打ち上げ期間は9日まで。

 発表によると、発射場のある鹿児島県の種子島宇宙センター周辺は当初予定の30日、氷結層がある厚さ6キロの雲に覆われると予想された。規定では1・8キロの厚さを超えると打ち上げできないとされ、予想の雲は規定を大きく超える。ここ数日の観測でも予想は変わらなかったため、延期を決めた。

 翌12月1日は未明に雷の予報があり、ロケットを組み立て棟から発射場へ移動できない可能性がある。その後も強風が見込まれ、引き続き厳しい状況だ。ただ、三菱重工業は「1日打ち上げの可能性を考えながら作業を進める」としている。

 H2Aは2001年に初飛行した日本の主力ロケット。03年の6号機の失敗以降、19回連続で成功しており、成功率は96%。JAXAなどによると、はやぶさ2の開発と打ち上げ費は計289億円。