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【衝撃事件の核心】
防犯カメラに写る「三日月マーク」で足…関学大柔道部員のスリ、クラブでナンパのスキを突く?
捜査関係者によると、2人を含む大学生らのグループはたびたびこのクラブを訪れ、これまで何度も来店客から財布を盗んだと疑われ、トラブルになったこともあった。客に近くの交番まで連れて行かれた学生もいたという。
捜査関係者は「今回、たまたま捕まったのが2人だった。他にも一緒に行動していた十数人が関与した疑いがある」と話す。
テクニックはないが…
クラブでの若者によるすりは、兵庫県だけでなく大阪府などでも被害が相次いでいる。捜査関係者によると、これまでのすり犯とは全く異なるイメージがあるという。
かつてのすり犯は職人のような技術を持ち、「抜きのヒデ」や尻ポケットから財布を盗む「ケツパーの吉」などと捜査員の間で呼ばれる容疑者も珍しくなかった。
一方、最近のクラブ内のすりはそんな技術はないものの、犯行場所が特殊なため捜査しづらく、発覚しにくい。捜査員がクラブに潜入しても、客層は10~20代の男女が多く、「それっぽい私服で行ったつもりだったが、どうしても目立ってしまい、捜査にならなかった」(捜査関係者)。
犯行場所や手口だけでなく、動機にしてもこれまでの常識は当てはまらない。今回逮捕された2人について、捜査関係者は「ゲーム感覚で犯罪に手を染めていたようだ。すりが遊びとして流行していた可能性もある」と話す。
低い防犯意識
店側の防犯態勢や客の防犯意識はどうなっているのか。兵庫県内のあるクラブを訪れた。
入店前、男性店員によるボディーチェックがあり、「財布は必ず前ポケットに入れてください」と指示された。ロッカールームには「スリ撲滅強化期間」という張り紙があった。