「親しみやすいデザイン」を考える
アプリやウェブサイトのデザインでよく求められるのが「親しみやすいデザイン」。
親しみやすいデザインというとトンマナなどデザインテイストのレベルで語られることが多いかなと思うのですが、ぼくはサイト構成、レイアウト、ワーディングまで含めた、デザインのコミュニケーション的な側面からも考えるとより親しみやすくなるのではと思っています。
親しみやすいデザイン
COMMUNICATION DESIGN
UIをコミュニケーションだと理解しているか
ユーザーにとってのコミュニケーションの主な窓口は、ウェブサイトやアプリのインターフェイス部分にあたります。このインターフェイス部分でのやりとりをデザイナーがコミュニケーションであると認識していることが大切。「話し手ー聞き手」という関係性を意識する。
ウェブサイト・アプリを一人の人間だと考えてデザインするアプローチは、ふだん人に話すときなら絶対しないような話し方もしなくなるし、相手に与える印象も気にする機会が得られておすすめです。
話し手が同じ目線にいると感じてもらうことが大切
ユーザーと同じ目線になって考えられていないコンテンツは簡単にそう伝わってしまいます。
とくに自分に向けて発せられているとユーザーが感じることはすごく重要だと思っていて、例えばデザインテイストが明らかに自分向けでない場合、自分が居てはいけない雰囲気を感じ取ったり無視されているような印象を与えてしまいます。
デザインテイスト、ワーディングがきちんとユーザーに向かって発せられていると感じてもらえるように意識すること。
GRAPHIC DESIGN
感性の一致を感じるか
この辺りは感性の話になるのであまりこの場で深い言及はしませんが、「感性が一致している」と共感してもらえることは親しみやすさにとって重要です。突き抜けた、感性を引っ張っていくようなデザインというより、寄り添った共感を生むデザインを心がけること。
自分に対して配慮されたデザインだと感じるか
自分に対して配慮されたデザインだと感じること。もてなすつもりで細部までこだわったデザインを心がけること。
- 柔らかい「間」を感じる
- 刺激的な角丸が少ないと安心する
- 視覚的に優しい色合いが用いられている
- 文字が読みやすく設計されている
- 操作できるUIがわかりやすい
などなど。
WORDING
伝えようとする意思を感じるか
どうにかして伝えたいと思う意思はユーザーにも伝わりますし、逆に伝わらなくてもいいと適当にしてしまったこともメタメッセージとしてユーザーに伝わってしまいます。できるだけ伝わりやすく、かつていねいな言葉で伝えてみましょう。
自分の考えを強制しない
たとえば、ここが重要でここが重要だからここは本当重要みたいな、まるですごく大声で話しかけるように、どこどこが重要だからここだけは本当読んで!マジで!のように文字の装飾を過剰につけられると、ユーザーは読み方を矯正されていると感じてしまいとてもおしつけがましく感じてしまいますよね。
ユーザーはちゃんと自分の文章をちゃんと読んでくれていると信頼してくれているならば、そこまでの矯正は必要ないはず。ちゃんと読んでくれるだろうと、ユーザーを信じてあげることも大切。
結論:読み手に対する敬いが親しみに繋がる
以上、ぼくが思う「親しみやすいデザイン」を考えてみました。一番言いたかったことは、親しみやすいデザインをうまく再現するには「伝えること=コミュニケーション」という当たり前を再確認して、「話し手ー聞き手」の関係性をきちんと成立させる、その上で相手の事を敬い、配慮して伝えようとする姿勢が重要だと感じました。
このブログ記事は、以上のアプローチをもって書きあげてみました。読み終わって、ぼくが思う親しみやすいデザインを感じて頂けたなら幸いです。