学術誌:価格高騰、物理学者が緊急声明
毎日新聞 2014年11月28日 10時45分
学術誌の価格が電子版の普及に伴い高騰し、研究者が入手しにくくなっているとして、1000人以上の物理学者でつくる「物性チーム」(代表=石田武和・大阪府立大教授)が27日、政府などに改善を求める緊急声明を発表した。
学術誌の価格は、この20年間は年平均で約7%ずつ上昇し、国立大1校当たりの平均購入費は1億円を超えている。大学の予算削減もあって、電子版の入手が困難になっている。
声明は、日本の研究者は世界から孤立し、成果を社会に還元する責務に応えられない状況になっていると指摘。政府などに、安定的に購入するために従来の文教予算の枠組みを超えた新たな財源確保や、次の科学技術基本計画に、すべての研究者が電子版に平等にアクセスできる環境整備の実現を盛り込むことなどを求めている。
石田代表は「すべての学術分野にかかわる問題であり、他分野の研究者とも連携し、改善を働きかけたい」と話す。