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 街中を走るタクシーが、セダン型から背高のミニバンへ一変するかもしれない。タクシーの専用車を生産しているトヨタ自動車と日産自動車が相次いでセダン型から、車内が広いタクシー用車両の開発を進めている。乗り降りしやすいなど、利点をPRする。

 日産は、商用車「NV200」をベースにしたタクシー仕様のミニバンを26日発表した。スライドドアで開口部は広く、ベビーカーも載せられる。従来のセダンタイプの「セドリック」は、9月に生産を終えた。担当者は「利便性から、今後はワゴンが主流になる」と強気だ。

 現在、国内で走る約24万台のタクシーのうち、個人タクシーを除くほとんどが日産とトヨタ製だ。トヨタも昨年末、ミニバンタイプの試作車を公表。「コンフォート」などの現行車セダンの生産は将来やめて、切り替えを促す方針だ。

 ミニバンを10台運用している日の丸交通(東京)は、「空港までの送迎や観光などで、広さが好評」という。2台のミニバンを持つ日本交通(同)は「見慣れない車体に敬遠する客もいる。利便性の認知度アップが課題」とみている。(湯地正裕)