田内康介
2014年11月28日00時32分
味や香りのする溶液を蒸発させて吸う「電子たばこ」について、厚生労働省の専門委員会は27日、発がん性物質が含まれ、健康への悪影響が示唆されると評価した。今後、国内の使用実態や未成年への影響を調べ、報告書をまとめる。厚労省は、規制も含めた対応を他省庁と検討していく。
委員会では、国立保健医療科学院生活環境研究部長の欅田(くぬぎた)尚樹委員が、国内で入手したニコチンを含まない3製品の蒸気を調べた結果を報告。2製品から発がん性物質ホルムアルデヒドが多く検出され、うち1製品は紙巻きたばこの煙の10倍以上だったという。また、動物実験の結果から、電子たばこを毎日吸った場合、3種類の有害物質で健康に悪影響を及ぼす可能性が示されたとしている。
国立がん研究センターたばこ政策研究部長の望月友美子委員は、世界に466銘柄7764種類の溶液があり、大麻味と宣伝する製品も出てきたと説明。「米国では青少年の利用が増えている。日本では流行の先駆けをとらえる必要がある」と指摘した。
電子たばこは、原料に葉タバコを含んでいなければ、たばこ事業法による「たばこ」とは言えず、未成年の利用も禁じられていない。欧米では「ベープ(VAPE)」と呼ばれ、急速に利用が広がっている。(田内康介)
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朝日新聞社会部
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