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2014-11-28

米国の警官不起訴で「職務執行の様子はウェアラブル眼鏡で全録画せよ」論が…「よきビッグブラザー待望論」ははさらに高まる

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黒人が警官に殺される確率は白人の4倍!ファーガソン騒動が浮き彫りにした米社会の病巣——ジャーナリスト・仲野博文|DOL特別レポートダイヤモンドオンライン http://diamond.jp/articles/-/62762 @dol_editorsさんから

ここの見出しに撮られた統計的人種と射殺措置の差も興味深いのだが、自分の関心のあるところをピックアップする。

8月26日特別レポートで、筆者はウェアラブルカメラを導入したカリフォルニア州警察署市民からの苦情を88%も減らすことに成功した例を紹介した。

 車載カメラだけではなく、ウェアラブルカメラによって警察官一人一人の行動がより明確に把握できるというメリットがあり、アメリカの各自治体では警察官ウェアラブルカメラ支給・装着させるべきとの声が日増しに高まっている。この動きに投資家も反応し、ブラウンさんが射殺された翌月にはウェラブルカメラを製造するデジタル・アライ社の株が4ドルから33ドルにまで高騰した。

その8月のレポート

ブラウンさんの射殺をめぐっては、地元住民から寄せられた目撃情報地元警察見解が大きく異なり、これが問題をややこしくしているのだが、ビデオ映像を残すことで警察官の過剰な行動を抑止できるという指摘は以前から存在する。

ブラウンさんが射殺されて間もなく、ホワイトハウス陳情受け付けサイトには警察官ウェアラブルカメラ着用を義務付けるよう法改正すべきとの投稿があり、陳情を支持する署名はすでに10万人分を突破している。

ウェアラブルカメラの着用によって、パトロール中の警察官市民に対して過剰な行動を取りにくくなると考えられており、外勤の警察官ウェアラブルカメラの着用を義務付けたカリフォルニア州リアルトでは、警察への苦情が1年間で88%も激減している。

ウェアラブル製品に詳しいプロダクトデザイナーの濱田浩嗣氏は、ウェアラブルカメラなどが将来的により低価格化されるとの見通しを示し、ウェアラブル製品警察官一人一人に配布されることによって、勤務中のトラブルを未然に防ぐ抑止力に十分なり得ると語る。


この話は当時、別の記事をこのブログで紹介していた。

個人認証撮影プライバシーなどに関する資料集 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140902/p3


さらに遡ると…

児童虐待を防ぐ3つの政策を挙げるなら…「監視せよ、監視せよ、さらに監視せよ!」 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140628/p4

 

都議会セクハラ野次。声紋分析(が発達)すれば、誰の野次かもわかるのではないか。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140619/p2

 

NHKスペシャルコンピューター革命」を見て考えた、思い出したこと雑記(7日未明再放送あり) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120604/p4

その過去の記事で、端的にまとめたつもりの感想がある。

『これを「不気味だ」「ビッグブラザーだ」と言って否定する勇気は自分にはない。いや…「ビッグブラザーではない」と言っているのではない、もっと絶望的なことに「良きビッグブラザーもいる」と認めざるを得ないのではないか?ということなのだ』


警官がすべて職務の様子を、その職務質問取締りの様子も含めて録画する。着用する警官の側も、その警官が勤務中に接する周囲の人々にも、古典的監視社会SFなら『ビッグブラザー』と忌み嫌われるような、監視の目が届くことになるのだ。

だがそれが、恣意的権力行使人種偏見による暴力の危険を減らす効果がある、という。

この前、韓国で、アジア大会水泳選手が「カメラを盗んだ、いや盗んでいない」という議論があった時も結局……仮に水泳選手の主張を信じるなら「防犯カメラで見せられた映像は不鮮明で不十分だったので無実を証明できなかった。防犯カメラ映像がもっとはっきりと映っていればよかったのに……」という主張だったわけでしょ。

これもまたつまり「良きビッグブラザー」としての監視カメラ…つまり「無罪証明してくれる慈父としてのビッグブラザー」なんだよね。



あとで本人にもお尋ねしてみるけど、

はてなの「空気を読まない中杜カズサ」で有名な中杜カズサ氏はtwitterもやっておられる。(はてブ連動だよなたぶん)

中杜カズサ 月曜東 R24a @nakakzs

https://twitter.com/nakakzs

このツイートの中で1−3年前ぐらいだったかなあ?痴漢冤罪だったか、そこから派生した議論への感想ツイートで「まずは電車内に防犯カメラを設置しなよ(大意)」とコメントを述べていた。

ほかの諸問題で氏は、自由プライバシーを非常に尊重しており、また権力の圧迫や不正というのにも広く注意を払っている。だがそういう立場からでも、カメラによる「目」の拡大が、より人権を守ることになるという、自分用語であるところの「良きビッグブラザー」について語っているのである。そのへんが興味深かったので、そんな一ツイートをよく覚えているのだが…。


以前こんなふうなtogetterもまとめてました。

AISドライブレコーダー、そしてICレコーダー…記録装置が完全に普及した社会とは - Togetterまとめ http://togetter.com/li/617125 @togetter_jpさんから

で、何度も書いた話だが、もし互いが互いを常に録音・録画する社会ができるなら、それは間違いなく「もっと皆が優しく、紳士的になる社会」になっていると思います(笑)

といった話をする際にはまず

自由とは何か―監視社会と「個人」の消滅 (ちくま新書)

自由とは何か―監視社会と「個人」の消滅 (ちくま新書)

を読んでおかないといけませんぞ。

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