いよいよFIBA制裁が正式にリリースされました。ニュースでも取り上げられる事態にまで発展していますが、一面的な部分しか触られていない様です。一般的に何が問題なの?っていう問いに対して「2リーグあるから」っていうことになっていますが、何度も書きましたが、これは一事象にしかすぎない。協会の統治能力(ガバナンス)の欠如っていうのが問題で、その象徴として2リーグ問題を挙げているだけにすぎません。なので2リーグ問題さえ解決すれば、制裁解除という訳ではない事を是非ご理解いただきたいものです。一応、このブログはほとんど虚構だの信憑性が無いだの言われていますが、内部情報を各方面から入手した上で判断して書いています。

 さて、とはいっても2リーグ問題。統合についていま、どうなっているのか?bjからのコメントでもあるように、現在協議は全くされていないようです。JBAの会長辞任や新会長が選出されないなど、まずJBAが機能不全に陥っています。統合対象のNBLも、専務理事が辞任しており、こちらも実質機能不全に陥っています。つまり、bjの交渉相手が不在という事態なのですが・・・。じゃあNBLはどうなっているとなるのですが、どうやら理事だけで動いているようです。ここで発言力を持つのは実業団代表です。つまり、今NBLは実質実業団が舵取りをにぎっていることになります。となるとどうなるか?

「現行スタイルのNBLは今シーズンで終わり」となるはずです。

なぜか?もともと実業団側は現行NBLには反対の立場だったのです。NBLを強引にすすめたのはあくまで協会側であって、その当事者はほぼ協会からいなくなっています。残っている人はいますが、もう何の力も影響力もないようです。実質、実業団が舵取りを取っているので、自分たちのやりたいようにするのが当然の動きでしょう。何がしたいか、かつての実業団リーグです。トヨタ・アイシン・東芝・日立・三菱が軸になって、ここに豊田合成とかを加えますでしょうか?あと、実業団リーグですので、どのような形式のチームが入ってきても構わないので、ここにbjには絶対に行けない栃木が加わるでしょう。どのチームが最終的に参加するかはまだ分りませんが、実業団リーグをやることはすでに内定しているそうです。

NBLは実業団リーグになります。で統合相手のbjリーグですが、何もすることはありません。このままプロリーグを粛々と進めていけばいいのです。FIBAもbjについては一言も言及していませんよね。FIBAはあくまでプロリーグで統合せよといっています。ここで間違った情報が広く出ているのですが、

「企業名を入れる入れないは、統合協議においてもFIBA制裁においても全く問題に上がっていない」ということ。

統合協議においても、企業名を入れる入れないは全く議題に上がっていなかったそうです。では、誰が言ったのか?協会が勝手に言っていただけです。なぜこんなことを言ったのか?プロリーグにどうしても実業団を入れたい一部の協会の人間によって起きたことです。それを協会のリリースとして出すもんだから、それを鵜呑みにした記者がそれをそのまま出す。そして世間は、今企業名を入れる入れないで揉めているんだなってなってしまう。この問題は、あくまで統一されたプロリーグにおいてのポリシーの問題なので、今問題になっている統合問題とは、全く関係の無いことです。

あと、なぜ実業団はプロリーグに入ろうとしないか?これは入れない事情があるのです。プロリーグに入る以上、分社化して一事業体にならなくてはなりません。つまり子会社になる必要があります。問題は、今の会計制度です。現在の会計制度は連結決算です。かつては単独決算でよかったので、子会社の業績の影響を受けにくかったのですが、連結となった為、子会社の業績が本社に反映してしまいます。実業団のバスケ事業は、約2~3億円ほどの大赤字事業です。また子会社化した場合、独自に経理をやらなければならない。現状では、バスケ事業に関わる経理業務は本社の経理でやれていたのが、独自にやらなくてはいけないので経費が更にかさむ。現在の実業団は上場企業なので、大赤字の子会社のは事実上不可能という訳です。なので実業団はプロリーグに入れない事情があるのです。

これで実業団リーグとプロリーグが相容れないものだというのはお分かりいただけたかと思うのですが、ではどうするのか?どういなるのか?どうやら答えはほぼほぼ決まりかけている。

実業団側とbj側は、話がついている。実に簡単なことなのですが、実業団側は実業団リーグでやることがベストであり、bj側はこのままやることがベスト、つまり利害関係は一致しているのです。また、敵対関係にあると思っていました(僕も)が、実はそうでもなかったようです。その証拠が、今シーズン前に行われたプレシーズンでの交流戦です。トヨタvs沖縄はじめ数多くの試合が組まれました。このプレシーズンマッチは協会が動いたのではなく、あくまで実業団とプロチームが独自に動いた結果。それ以前にもオープンに出来なかっただけで、結構練習試合はやっていたようです。なぜその単純なことができなかったのか?っていうだけで、ここに協会が話をややこしくしていただけです。

今後、実業団リーグとbjリーグがそれぞれやっていきます。あれ?これでは2リーグ問題が解決していないってことになるのですが、アマチュアリーグとプロリーグが2つあるだけのことです。FIBAはプロリーグを統一しろといっているだけです。ただこれは第一関門であって、最終的にはプロリーグが頂点に来るように、プロリーグが発展していかなければなりませんが、それは将来の道筋なので、制裁解除に関しては今後の過程として扱ってくれると思いますが。

で、これはこれでいいのですが、この動きに存在していないものがあることにお気づきですか?協会です。これこそが、ガバナンスの欠如なんですよ。はなっから実業団は実業団リーグに、プロはプロリーグに収まるべきところに収めさせれば済む話だったのですが、何を血迷ったか、実業団リーグもプロリーグもまとめて牛耳ろうとするから、おかしくなった。現在、協会は機能不全になっております。誰かが再起動しなければならないのですが、誰もやろうとしません。これではまずいです。下手に政治に乗り込んでこられても困るのですが、ただ救いはJBAが公益財団法人なので、直接文科相が乗り込むことは出来ないようです。今、一番大事なのは一連の動きに呼応した方が、はやく協会を再起動させること。下手に何かしてやろうという人物は要りません。

次回は、FIBA制裁について②で代表とユース育成、という一番難しい問題を取り上げてみたいと思います。