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【政権の是非を問う】
=普天間移設= 安倍首相に打つ手はあるのか? 奇妙な保革共闘が政権揺るがす地雷に… 「沖縄の民意」盾に埋め立て承認撤回も
「果たして選挙態勢を組めるのか。不安だ…」
平成24年の前回衆院選で国場氏の選対本部長を務めたのは、16日投開票の知事選で仲井真氏を破り、初当選を果たした翁長雄志(おなが・たけし)前那覇市長だった。翁長氏は知事選を前に自民党と袂(たもと)を分かち、「辺野古移設反対」を掲げて保革共闘で地滑り的な勝利を手にした。もはや支援は期待できない。
同じ頃、那覇市のホテルでは、知事選で翁長氏を支援した保革共闘勢力が衆院選への対応を協議していた。陣営幹部は自信たっぷりにこう語った。
「知事選での保革共闘の枠組みを大切にし、沖縄の全選挙区を連動させる」
果たして保革共闘で一本化された4候補者が23日、出馬会見を開いた。沖縄1区は共産党の赤嶺政賢氏、沖縄2区は社民党の照屋寛徳氏-というお馴染みの革新勢力を、翁長氏を支援した保守勢力が推す。沖縄以外ではあり得ない異様な共闘がこの衆院選でも繰り広げられることになった。
前回衆院選は、沖縄4選挙区中3選挙区で自民党候補が勝利し、選挙区で敗れた1人も比例復活した。4人はいずれも「普天間飛行場の県外移設」を公約に掲げたが、安倍政権となり、昨年11月までに辺野古移設容認に転じ、仲井真氏の埋め立て承認に向けた地ならし役を担った。